ファイナンス 2020年10月号 No.659
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貸付金の規模についてみると、沖縄県の中小・小規模事業者が多い産業構造を反映して、1千万円以下で約5割、5百万円以下で約3割の件数となっている。なお、8月末におきなわ公庫が実施した関係者ヒヤリングにおいて、各地の商工会等からは、「現在のところ、融資については一服感」との回答があった。そのため、初回の融資相談の山は越えたと認識している。ただし、財務基盤の弱い小規模事業者が多い状況の下では、早期の経済の「再起動」がなければ、再度の資金繰り不安が発生する懸念がある。すでに、2度目の融資相談の動きも出てきている。(3)コロナショック下の経済指標(参照:図表8)沖縄を訪れる観光客数は、4~6月が底で、7月以降回復基調にあったが、その後の県内での感染拡大及び県の非常事態宣言以降、再度減少の懸念が生じた。ホテル稼働率(おきなわ公庫調べ)も、この上記の動きに連動し、4~5月は休業するホテルも多くみられた。上述の1(2)のとおり、業況判断D.Iは大幅に悪化した。完全失業率は、6月まで悪化傾向にあったが、7月は休業者が減少し、就業者が増えたため、若干の改善があった。有効求人倍率は引き続き下落傾向にあり、7月には、0.6まで低下している。(4)今後の県経済(参照:図表9)沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は、2020年の観光客数を361万人(前年実績1,016万人)と予測しており、(一財)南西地域産業活性化センター(NIAC)(会長:大嶺滿沖縄電力会長)は、観光客365万人と仮定した場合の影響として、観光消費額は前年実績から4,920億円減少し、失業率は1.9%悪化図表6273578579990603414398442383352127999,968件(1,984億円)02,0004,0006,0008,00010,00012,000H20H21H22H23H24H25H26H27H28H29H30R1R2セーフティネット関連融資(契約)実績超える新型コロナウイルス関連融資過去のセーフティネット融資の規模をはるかに東日本大震災(H23/3)リーマンショック(H20/9)融資決定:10,698件(2,169億円)同日時点での受付件数:11,539件(注)融資契約の累計件数コロナ危機(R2/1~)(参考)沖縄県信用保証協会の実績同日時点での保証申込:9,884件保証承諾:8,660件(1,322億円)図表7①宿泊・飲食29%②卸売業・小売業16%③生活関連・娯楽業13%④建設業10%⑤医療福祉5%その他26%⑥製造業⑦学術・専門技術サービス⑧不動産業・物品賃貸業⑨サービス業⑩農林水産業⑪運輸業・郵便業⑫教育・学習支援業⑬情報通信業ほか10,698件500万円未満29%(3,144件)500万円以上1,000万円未満20%(2,102件)1,000万円以上3,000万円未満29%(3,069件)3,000万円以上5,000万円未満14%(1,456件)5,000万円以上9%(927件)10,698件貸付金額別融資決定実績業種別融資決定実績22 ファイナンス 2020 Oct.SPOT

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