ファイナンス 2020年10月号 No.659
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(1)特別調査(「新型コロナウィルス感染症」拡大の県内景況に及ぼす影響について)新型コロナウィルス感染拡大により県内各産業にさまざまな影響を及ぼしていることから、県内企業景況調査の一環として、県内各企業への影響等を把握するものである。第1回目の特別調査の結果は、2020年3月27日*3、第2回目の特別調査の結果は、2020年6月26日*4に公表している。2020年9月25日に公表した第3回の特別調査の結果の概要は以下のとおりである*5。沖縄公庫は令和2年1月27日に新型コロナウイルス感染症にかかる特別相談窓口を開設し、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」等による資金繰り支援に努めているが、感染拡大が県内の経済活動に及ぼす影響は依然として深刻なものとなっている。(1)2020年7~9月期の新型コロナウイルス感染症拡大による業況への影響について、「業況は悪化した」と回答した企業は 61.1%、「影響はほとんどない」と回答した企業は 35.8%、「業況は良くなった」と回答した企業は 1.2%となった。(2)新型コロナウイルス感染症拡大により「業況は悪化した」と回答した企業の 95.4%が「売上は減少した」と回答した。また、その要因として 84.5%の企業が「取引先や来店 客の減少」と回答した。(3)新型コロナウイルス感染症拡大により「業況は悪化した」と回答した企業の売上高減少の割合は、「2~4割未満減少」が31.0%と最も高く、次いで、「2割未満減少」と回答した企業が25.1%を占めた。また、採算水準 D.I.は全産業で△45.4%ポイント(以下単位省略)と「赤字」超となった。(4)雇用状況については、87.5%の企業が「雇用を維持した」と回答したが、雇用判断 D.I.は全産業で△3.6 の「過剰」超となった。(5)新型コロナウイルス感染症拡大に対する取組に*3) https://www.okinawakouko.go.jp/userles/les/news_release/2019/20200327_korona_tokubetutyosa1.pdf*4) https://www.okinawakouko.go.jp/userles/les/news_release/2020/20200626_korona_tokubetutyosa.pdf*5) https://www.okinawakouko.go.jp/userles/les/news_release/20209025_kisyahappyou_koronatokubetutyousa.pdf*6) https://www.okinawakouko.go.jp/report/96*7) https://www.okinawakouko.go.jp/userles/les/news_release/2020/20200626_keikyo.pdfついて、「雇用調整助成金等の活用」と回答した企業は 42.1%、「金融機関等による資金繰り支援の活用」が 40.8%、「在宅勤務、テレワークの活用」が30.8%となった。(6)2020年10~12月期の新型コロナウイルス感染症拡大による業況への影響について、「業況は悪化する」と回答した企業は 52.1%、「影響はほとんどない」が 24.9%、「業況は良くなる」が 0.3%、「わからない」が 22.7%となった。(2)県内企業景況調査調査部においては、沖縄における企業の景況判断について年4回、約360社の県内企業を対象に行ったアンケートを分析し、「景況トレンド」として発行し、景況感や経営上の課題に関する情報を提供している*6。9月25日に公表した、「2020年7~9月期実績、2020年10~12月期見通し」*7の概要は図表1のとおりである。「県内景況は停滞している」と判断している。 ファイナンス 2020 Oct.17新型コロナウイルス感染下の沖縄経済の状況及び今後の中長期的な課題について(上) SPOT

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