日本の借金総額は、主要先進国と比較しても最悪の状況にあり、このまま借金を積み重ねていくと将来の公共サービスが減少するおそれもあり、借金の返済はますます困難になります。社会保障費の増大を保険料に加え税金でも賄いきれていないことが、借金が増えた主な要因です。そのような中、「社会保障と税の一体改革」により、2014年4月に消費税率を5%から8%、昨年10月に8%から10%に引き上げました。一体改革前は高齢者中心だった消費税の使途を変更し、少子化対策・子ども子育て支援の充実にも使うこととなりました。待機児童解消や、幼児教育の無償化、高等教育の無償化など、皆さんのような子育て世代のこともしっかり応援できるよう、「全世代型」の社会保障制度へと基本的な考え方を転換したんです。国際比較では、日本はある程度充実した福祉を皆さんが受けている一方、負担は比較的少なく抑えられている状態です。これから、どのような国を目指したいか、福祉(受益)はなかなか減らせないとしたら負担はどうするのか、ということを皆さんと今後も考えていきたいと思います。○塚越理事コロナ前とコロナ後で予算が大きく変わってしまっているという現実を知ることができました。また、先ほどの医療の話において、どうしても3割負担というところに目が行きがちですが、一方で、7割の受益を受けているんだということも、家族や子どもにも伝えていきたいと思いました。ファイナンシャル・プランナーによるマネー講座○内木場理事コロナの影響で、皆さんのライフスタイルがかなり変わったと思います。お金の面でいうと、デリバリーなどが増えたため支出が増えた方、逆に外食が減り支出が減った方など様々だと思います。料理をすることでコストを下げるか、時間を節約してデリバリーを利用するかなど、時間とお金をどう選択していくかを考えると、お金のことを考えるきっかけになります。受益と負担の関係でいうと、子どもの間は国から支援を受けているので、お金よりも時間をかけてお世話するのが大事ですが、子どもが大きくなると教育費やお小遣いなどで、お金が必要な時期になるので、受益が多い子どもが小さいときから、お金を準備しておくのがいいかなと思います。いつ、どんなお金が必要か知っておくことが重要で、ライフイベント表を作るのがいいです。お金がかかるイベントを書き出しておくと、支出の時期をずらせるものとずらせないものが分かります。子供の入学時期はずらせないけど、住宅を購入する時期はずらせるなど、まとまったお金が将来いつ必要なのかに応じて少しずつ準備しておけば安心です。人生100年時代は、老後資金がたくさんかかるので、早めに準備しておきたいです。老後資金を貯めるコツとして、国や企業が保障してくれるもの以外を、民間の保険で補うのがいいです。足りない部分は自分で準備するという考え方です。最後に、お金と時間のバランスを考え、どう生きたいか、何にお金を使いたいかをしっかり考える。子育てにおいても、2人が働くとその分お金は増えるし、非常時にも対応できる、生き方と働き方について考えればお金の使い方も見えてきます。お金や時間に余裕があれば、色々な選択肢も増えてくるのはないでしょうか。○塚越理事家計について、タイミングをずらせば工夫ができるという話と、国もそうですが、緊急時のための余裕資金があるともう少し選択肢が広がるということですね。以上 ファイナンス 2020 Oct.15ファザーリング全国フォーラムinみやざき に参加 SPOT
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