ファイナンス 2020年10月号 No.659
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い事項のみの要望として、新型コロナ対応関係の経費等の多数の項目が要望されている。なお、今回の概算要求では事項のみの要望が多くなっていることから、概算要求額と要望額の合計を、前年度の予算額等と単純に比較することは困難であることを付言しておきたい。令和3年度予算編成においては、「新経済・財政再生計画」に基づき、これまでの歳出改革の取組みを継続し、経済再生と財政健全化をしっかりと進め、次の世代に未来をつないでいくことが重要となる。「令和3年度予算の概算要求の具体的な方針について」(令和2年7月21日閣議財務大臣発言要旨)1.政府としては、感染拡大を防止し、事業と雇用を守り抜くため、2度にわたる補正予算の迅速かつ適切な執行をはじめ、引き続き新型コロナウイルス感染症への対応が喫緊の課題です。他方で、来年度における予算をはじめとする対応について、現時点で、予見することに限界があることも事実です。2.このため、先般、閣議で申し上げたとおり、令和3年度の概算要求については、政府、与党、地方など多くの関係者の作業の負担を極力減らす観点も踏まえ、本日、政令を改正し、要求期限を1か月遅らせて9月30日とするとともに、概算要求の段階で予算額を決めることはせず、その仕組みや手続きをできる限り簡素なものとします。3.具体的には、(1)要求額は、基本的に、対前年度同額といたします。(2)その上で、新型コロナウイルス感染症への対応など緊要な経費については、別途、所要の要望を行うことができることとします。(3)その際には、これまでの安倍内閣の歳出改革の取組を強化するとともに、施策の優先順位を洗い直し、無駄を徹底して排除しつつ、予算の中身を大胆に重点化していただくようお願いします。(4)また、年金・医療等に係る経費の高齢化等に伴ういわゆる自然増、SACO・米軍再編関係経費、厚生年金保険事業に係る国庫負担の繰入れに必要な経費、社会保障の充実等の平年度化に伴う対前年度からの増加の取扱い等については、予算編成過程で検討することとします。4.財政投融資につきましては、中小・小規模事業者や中堅・大企業等の資金繰り支援など、真に必要な資金需要に的確に対応した要求をしていただくよう、お願いします。その際、民業補完性、償還確実性等の検討により、引き続き、対象事業の重点化・効率化を図っていただきたいと思います。5.令和3年度税制改正要望につきましても、9月30日までのご提出をお願いします。租税特別措置につきましては、例年同様、必要性等を見極めた上でゼロベースで見直すとともに、減収を伴う要望の場合には、しっかりと財源を確保しつつ、政策の重点化を図っていただくようお願いします。6.令和3年度予算編成にあたっては、事務負担の軽減に最大限工夫してまいりますので、各省の職員はじめ関係者ができる限り効率的に作業を進めることができるよう、各省大臣におかれては、各段のご理解とご協力をお願い申し上げます。 ファイナンス 2020 Oct.11令和3年度予算の概算要求について SPOT

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