ファイナンス 2020年10月号 No.659
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国税庁では、適正かつ公平な徴収を実現するため、滞納を未然に防止することが重要であると考え、さまざまな未然防止策に取り組んでいる。その内容は主に3つある。〈滞納の未然防止に関する取組〉1期限内納付に関する広報・周知2多様な納付手段の利用勧奨3個々の納税者に対する納付指導の実施「期限内納付に関する広報・周知」では、納付の期限等を広報・周知することで、納期限や振替期日の失念の防止を図っている。また、納税資金の積立てに関する広報・周知も行っている。これら2つの取組については、地方公共団体、税理士会、関係民間団体及び業界団体等の協力を得て、各種広報媒体や説明会などの機会を活用しながら実施している。「多様な納付手段の利用勧奨」では、ダイレクト納付やインターネットバンキングなどを利用した電子納税、クレジットカード納付、コンビニ納付など多様な納付手段を提供することによって納税者の利便性の向上を図っている。また、納税の失念を防ぐため、個人の納税者に対して振替納税の利用勧奨をしている。さらに、ダイレクト納付を利用した予納の利用勧奨も行っている。これは、確定申告で納付することが見込まれる金額について、申告書の提出前に、あらかじめ納付日と納付金額等をe-Taxに登録(複数の納付日や納付金額を登録可能)しておくことで、当該納付日に預貯金口座からの振替により納付(予納)することができる仕組みである。「個々の納税者に対する納付指導の実施」では、「期限前納付指導」として、前回、期限後納付となった納税者に対して電話等により納付指導を行ったり、「督促前納付指導」として、督促状の送付対象となった納税者に対して電話等により納付指導などを行っている。また、税理士会や税理士等を通じて関与先納税者への納付指導を依頼している。それでも滞納となった場合には、いったん納税コールセンターで預かり、催告を行う。令和元年7月から令和2年6月末までに催告対象となった約81万4,000件のうち完納に至ったのは約50万件(61.4%)、納付誓約中は約4万6,000件(5.6%)となった。納税コールセンターを通じて電話連絡をした約7割が完納、納付の約束をしていることになる。滞納整理中のものの額の推移(年度)05,00010,00015,00020,00025,00030,000(億円)15,53815,53814,95514,95514,20114,20113,61713,617源泉所得税(1,090)申告所得税(2,238)法人税(946)相続税(572)消費税(2,668)その他(41)26,60626,60628,14928,14927,66127,66126,66826,66824,84224,84222,51922,51920,22820,22818,67318,67327,03127,03127,83027,83011,691 11,691 14,11814,11817,04817,04820,51620,51623,28023,28024,98024,98017,84417,84416,84416,84416,15116,15112,70212,70210,64610,6469,7749,77411,41411,4148,9718,9718,5318,5318,1187,554令元平元(注)地方消費税を除いています。30292827262524232221201918171615141312111098765432 ファイナンス 2020 Oct.7新型コロナウイルス感染症への国税徴収の対応~特例猶予の適用状況と租税滞納状況について~特集

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