ファイナンス 2020年9月号 No.658
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各地の話題2自転車で地方創生を!2015年に全国的に地方創生の取組が開始される中、本市では、他自治体との差別化を図りつつ、京阪神や東海地区からの観光誘客と琵琶湖岸地域の活性化を目指して、当時全国で人気が高まってきた「自転車」に着目し、2015年10月に策定した「守山市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の柱の一つとして「自転車を軸とした観光振興」を掲げ、「ビワイチ発着地の拠点」をキーワードに、国内外のサイクリストが「また来たい」「来てよかった」と思ってもらえるおもてなし体制作りを推進しています。【ビワイチを楽しむサイクリスト】2016年3月に守山市内に世界的な自転車メーカーの店舗誘致が実現したことを契機に、PR動画の制作、ビワイチのシンボルとなる「琵琶湖サイクリストの聖地碑」の設置、また2017年10月にはプロサイクリスト監修による滋賀県全域を舞台としたビワイチマップ制作、さらに「瀬戸内しまなみ海道」と連携したスタンプラリーを開催するなど、サイクリスト目線かつ切れ目ない取組を継続しています。こうした取組の結果、滋賀県発表のビワイチ参加者の推計では、2016年の5.2万人から2018年に10.6万人へ増加し、着実に効果が表れてきました。また、湖岸のホテルのリブランドやショッピングセンター内での大型温浴施設オープンなど、民間投資の誘発にもつながっているほか、地域内においても自転車のまちづくり機運を高めるため、スポーツ自転車も対象とした自転車購入補助と高齢者向けヘルメット補助の実施や地元警察と連携したサイクルポリスといった市独自の施策を多数展開するなど、地域全体が大いに盛り上がりを見せてきました。3人気エリアとの連携で魅力発信!サイクリストは、サイクリングをした後に「次はどこを走ろう」と考えます。このため、「ビワイチの発着地」としての取組を展開する一方で、さらなる「ビワイチ」や「発着地」の認知度向上と誘客促進に向けて、国内のサイクリング人気エリア間で連携した相互誘客・交流の推進が必要と考え、「広域連携」の取組もあわせて進めてきました。その取組の一つが、2018年近畿財務局地方創生企画推進メンバーの「ちほめん」と連携した「琵琶湖」と「淡路島」による共同PRです。淡路島は「アワイチ」として特に関西のサイクリストから人気で、琵琶湖と淡路島はその形状も似ていることから「ビワイチをしたらアワイチをする」文化が業界では密かに人気だったことから、両ルートの魅力を相互発信し、誘客につなげられないかを以前から検討していました。企画内容を同年4月に「ちほめん」に持ち込んだ中、「これはおもしろい」と評価され、スピード感をもった自治体間の調整や協議の場の設定に協力いただき、同年9月にはビワイチアワイチ共同PRチラシを発表することができました。【琵琶湖淡路島で共同PR実施をリリース】さらに、この連携実現をきっかけに、その後2018年中に共同ブース出展の実現、翌年にはICTを活用して「しまなみ海道」「琵琶湖」「淡路島」「泉州・和歌山」の西日本4地区での共同スタンプラリー実施に至っています。今年度も淡路島とは企画を検討しているところですが、地域間連携のもたらす情報発信や誘客による相乗効果の力には、大きな手応えと期待を感じています。 ファイナンス 2020 Sep.75連載各地の話題

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