ファイナンス 2020年9月号 No.658
15/88

型コロナウイルス感染症の影響により、消費・輸入が急速に悪化しており、消費税収についても、こうした経済情勢の変化に影響を受けたものと考えられる。〈その他〉その他の税目は10.1兆円であり、前年度から▲0.3兆円減少した。補正後予算額との比較でも▲0.2兆円下回っている。主な税目ごとに見ると以下のとおりである。◇相続税は2兆3,005億円であり、前年度から▲329億円減少した。補正後予算額を▲325億円下回っている。◇酒税は1兆2,473億円であり、前年度から▲278億円減少した。ビールの課税数量が見込みを下回ったこと等により、補正後予算額に対して▲237億円下回っている。◇揮発油税は2兆2,808億円であり、前年度から▲670億円減少した。課税数量が減少したことが主な要因であり、補正後予算額からも▲222億円下回った。◇平成31年1月に導入された国際観光旅客税は444億円であり、前年度から+375億円増加した。令和元年度より1年間分の税収が入るようになったため、前年度からは増加したものの、新型コロナウイルス感染症の影響で国際観光旅客数が見込みを下回ったため、補正後予算額を▲56億円下回った。3おわりに令和元年度決算税収は、全体としては58兆4,415億円と前年度を下回った。決算額が前年比で減少したのは、平成28年度以来のことである。特に、年明け以降、全世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、我が国経済も急激に悪化し、令和元年度の税収にも影響を及ぼした。足元では、新規感染者数が再び増加するなど、その影響は長期間に及ぶ可能性もある。引き続き、この感染症が我が国経済、そして今年度以降の税収に与える影響を注視していく必要がある。(参考1)令和元年度決算税収(単位:兆円)平成30年度令和元年度決算額 (1)補正後予算額 (2)決算額 (3)対30決算 ((3)-(1))対補正後予算 ((3)-(2))所得税19.919.119.2▲0.7+0.1法人税12.311.710.8▲1.5▲0.9消費税17.719.118.4+0.7▲0.7その他10.510.310.1▲0.3▲0.2一般会計分計60.460.258.4▲1.9▲1.7 ファイナンス 2020 Sep.11令和元年度決算税収についてSPOT

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る