ファイナンス 2020年8月号 No.657
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宮古島3特産品【食材の宝庫】宮古諸島は食材の宝庫。マンゴーやパイナップルなどのフルーツ、ニガウリや島ラッキョウなどの島野菜、宮古牛、山羊、マグロやカツオ、グルクンなどの島魚、車エビ、伊勢エビ、セミエビ、サザエやシャコ貝などの貝類、ヤシガニ、マングローブガニ、海ブドウ、モズク、黒糖、なまり節、宮古そば、泡盛など、島の食材は魅力的なものばかりです。【宝石珊瑚の島】数年前に密漁問題で脚光を浴びた宝石珊瑚ですが、宮古島は宝石珊瑚の産地として知られています。宝石珊瑚とは、深海に住む珊瑚で、浅瀬の珊瑚とは種類が違います。昭和34年に宮古諸島近海で血赤珊瑚や桃色珊瑚が採れる宝山曽根が発見され、昭和35年頃に盛んに宝石珊瑚漁が行われ、世界有数の宝石珊瑚の産地となりました。現在は宝石珊瑚漁は行われていませんが、宮古島市内の専門店や土産物店には今でも数多くの宝石珊瑚が並んでいます。4伝統行事・文化【多良間島の八月踊り】宮古島と石垣島のほぼ中間に位置する多良間島で、毎年、旧暦8月8日から3日間にわたり行われる国指定無形民俗文化財の指定を受けている多良間の豊年祭「八月踊り」。この時期には多くの観光客や研究者が多良間島を訪れます。「八月踊り」は本来「八月御願(はちがつうがん)」、明治初期頃までは「納税皆納祝」とも言われており、穀税や反物税を完納して、それを喜びあい、さらに豊作を祈願するという意味のお祭りだったようです。島を上げて高らかに完納宣言を祝ったわけですね。【驚愕の伝統行事・島尻のパーントゥ】宮古島の島尻地区で旧暦の9月吉日に行われる「パーントゥ」は、国指定重要無形民俗文化財の伝統行事。平成30年にUNESCOの無形文化遺産に登録が決定され、全国でもその名を知られるようになりました。夕刻、仮面をつけ草をまとい全身に泥を塗った異形の来訪神「パーントゥ」3体が村落内に現れ、誰彼かまわず人々の顔や家屋に泥を塗りまくることで厄災払いをします。鍵のかかっていない家に勝手に上がり込んだり(当然家じゅう泥だらけになります。)、特に新築の家や事務所には厄払いとして必ず訪れることになっていて、新品の畳に寝転がってゴロゴロ転がったり、飛び上がって天井に手形をつけたりと、入念に、厄払いをします。この聖なる泥、強烈な臭気で数日はその匂いがとれません。「泥はちょっと」という方、大丈夫です。「パーントゥ」のまわりでは悲鳴と叫び声がやまないのですぐに発見できます。チラ見したら全速力で逃げることをお勧めします。ちなみに逃げると追いかけてきますのでご注意ください。82 ファイナンス 2020 Aug.連載各地の話題

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