ファイナンス 2020年8月号 No.657
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私流のフュージョン炒めを作ることにして、牛肉とトマトを買いに行くことにしよう。できることならペルーの葡萄の蒸留酒ピスコも買って、ジンジャーエール割りにしてチルカーノ(モスコミュールのペルー版?)というカクテルにしたいものだが、近所のスーパーにそこまでの品ぞろえを求めるのは無理というものだろうな。焼酎をジンジャーエール割りにしてレモンを浮かべてペルーの気分を味わうことにしよう。(注) 物の本によれば、ペルーは美食大国として有名なのだそうである。私のような浅学の者は、ペルーといえばインカ帝国とかアンデス山脈からの連想でジャガイモとかトウモロコシしか思い浮かばないが、太平洋に面し、アンデスの高地やアマゾンのジャングルもあるペルーは、実は山海の食材の宝庫なのである。それを欧州、アフリカ、アジアの食文化を融合させて料理にするのだから、美食の国なのだろう。そういえば、セビーチェというレモンの酸味と唐辛子が効いた魚介のマリネを食べたことがあるが、実においしかった。〈材料〉 輸入牛ロース(肩肉などでもいいが、バラは脂が多いので不向き)スライス5~600g(食べやすい大きさに切る)、玉ねぎ中1個(5ミリ幅に切り)、トマト中1個(8等分)、クミンシード(粉末)、鷹の爪2本(種を抜き、適当にちぎる)【合わせ調味料】市販のポン酢(大匙2)、豆板醤、醤油、酒、レモン果汁(各大匙1)、おろしにんにく、おろししょうが(各小匙1)(1)牛肉に、胡椒とクミンシードを振る。(2)フライパンにサラダ油大匙2をひき、鷹の爪を入れ強火で牛肉をほぐしながら2分ほど炒める。肉の色が変わったら、玉ねぎを加えて1分炒め、トマトを加えてさらに1分炒める。(3)合わせ調味料を振り、大きく混ぜながら1分炒めたら、味見をし、味が薄ければポン酢と醤油で調整して完成。* 物の本によればペルーにはニッケイ料理というものがあるとのこと。19世紀末から始まった我が国から同国への集団の移住によって形成された日系人社会の人たちが作り上げてきた和食由来の料理なのだろう。ニッケイ料理に敬意を表してポン酢主体のフュージョン炒めにしてみた。牛肉の和風フュージョン炒めのレシピ(4人分)72 ファイナンス 2020 Aug.新々 私の週末料理日記 その39連載私の週末 料理日記

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