ファイナンス 2020年8月号 No.657
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本海から吹き付ける湿った空気を含んだ季節風がぶつかることで急激に雪雲が湧き上がり、志津を含む月山周辺に豪雪を降らせます。月山には、冬の雪の多さに加えて夏場にも多くの雪が残るという大きな特徴があり、その残雪の多さは、例年7月末頃まで夏スキーを楽しむことができる程です。さて西川町では、製品化できる国産メノウは全国的にもめずらしいと、地域の特産品として開発することを決定。平成元年に開設した「自然と匠の伝承館」内に工房を設置、全国で唯一オリジナルアクセサリーが作れる体験型工房となったそうです*12。筆者も家族とともにこの伝承館を訪れ、巧人の上野明先生に指導していただきながらメノウのアクセサリーの加工を体験することができました。石を選ばせていただいたあとは、カット(大割り・小割り)から、グラインダーを使っての整形、磨くための取っ手のろう付けを先生にしていただき、その後、ろくろがセットされた台で回転する砥石でキズを消す作業を先生の指導のもとで行いました。その後先生が2週間程、磨き上げと穴あけをして下さいます。そのできばえは見事なものであり、今も子供たちの胸に輝いています。今年度は申込数が定員に達し、すでに締め切られていますが、伝承館ではメノウ探しが体験できる夏の特別体験もされています。写真:カットしていただいたメノウを回転する砥石で磨く工程。この真剣な表情!*12) 山形県・前掲注8。写真:研磨した後のメノウ。5結びに代えて山形の魅力、紅をたどる拙稿はいかがでしたでしょうか。最後までお読みいただいた読者各位と、山形で家族ともどもお世話になりました山形の皆さまに心から感謝を申し上げますとともに、機会があればぜひともさくらんぼ狩りやメノウの加工などを体験していただき、紅色に限らず皆様のお好みの山形の色に出会っていただけますことを願い、結びに代えたいと思います。写真:上野先生に前掲の写真のメノウを仕上げ加工をしていただいたネックレスです。追記:本稿脱稿後の7月27日からの豪雨で河川の氾濫や住宅や農地の浸水、断水の被害が生じていることに心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧をお祈りしております。 ファイナンス 2020 Aug.43山形の魅力、紅をたどってSPOT

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