ファイナンス 2020年8月号 No.657
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4スマート税関構想2020の効果【図2参照】(1)海外旅行者への効果現在、基本的に税関職員が対面で海外旅行者の携帯品に対し必要な検査を行っていますが、将来は、Eゲート(税関検査場電子申告ゲート)の利用拡大で、空港のワンストップ・ワンスオンリーを目指します。この実現のため、出入国在留管理庁等の関係省庁と連携・情報共有を強化、Eゲート用アプリのより使い易いものへの改善、クレジットカード等よる納税を可能とするキャッシュレス化等について取り組みます。(2)貿易関係事業者への効果現在、輸出入者、通関業者等が行う税関手続のうちの一部がデジタル化されておらず(減免税手続等)、書面等の提出が必要な場合があります。また、税関に対し税率や税関手続等について照会する場合、その対応は日中の開庁時間に限られます。将来は、税関手続における一層の利便向上や通関手続の一層の迅速化を図っていくことが重要です。この実現のため、税関手続の一層のデジタル化、自動応答プログラムを活用した24時間365日の税関相談、必要な情報を容易に入手できる税関ホームページへの改善、EPA税率の適用を希望する方への支援、税関検査のオートメーション化に取り組みます。(3)税関職員への効果将来、税関業務の多様化・複雑化が予想されることから、関係機関、貿易関係事業者、外国税関等との情報連携の拡大・強化、災害等非常時に強いシステムの導入、AI等先端技術の活用、研修の充実、働き方の改革、監視取締りにおける無人航空機や衛星情報等の活用などについて検討し、業務の高度化、人材育成、職場環境の改善を図ります。また、新型コロナウイルス感染症流行への対応も踏まえ、テレワーク等も可能となるよう職場環境の改善も図ります。【図2】スマート税関構想2020の効果【参考動画】鉄拳×税関「守る引き継ぐ私たちの暮らし」30 ファイナンス 2020 Aug.SPOT

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