ファイナンス 2020年7月号 No.656
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発展する諏訪湖周辺名古屋税関 諏訪出張所 所長水嶋 英子1はじめに名古屋税関諏訪出張所は、長野市に所在する長野地区政令派出事務所とともに長野県全体を管轄しています。長野県における税関の沿革は、まず昭和36年7月に長野県庁内に長野派出所が設置(のち出張所に変更)されました。その後、諏訪地区への内陸地税関誘致に向けた活動が、地域の官民が一体となって展開され、昭和55年諏訪地区政令派出所開設を経て、昭和63年7月に諏訪出張所が開設され、それまでの長野出張所が政令派出所に変更になり現在に至ります。長野県内では、戦後から精密部品製造が盛んであり、当出張所では、主に精密機械部品や情報機器等の輸出通関業務や、県内に点在する保税地域の管理監督を行っています。ところで皆さんは出身地の都道府県歌をご存知でしょうか?長野県は、「信濃の国」という県歌があり、様々な行事において歌われていることから県民に深く馴染みがあります。「信濃の国」では、日本の屋根である北・中央・南アルプスや、日本海、太平洋に流れゆく河川に囲まれた風光明媚な県土が情趣に富んだ歌詞で歌われており、その中に登場する天竜川の源となる諏訪湖の程近く、標高約760mの場所に当出張所は所在しています。2発展する諏訪地域● 新たな玄関口「(仮称)諏訪湖サービスエリアスマートインターチェンジ計画」諏訪湖周辺は山地に囲まれ、諏訪大社や温泉、美術館や博物館が集まる観光地でもあり、また、高度な技術力を誇る企業が集結し、精密加工業が盛んな地域です。一方、観光資源、産業資源へのアクセスは国道や市町村道の渋滞個所を通過しなければならず、交通の円滑化と安全性が失われており、加えて、大規模災害等における物資輸送手段の確保が課題となっていました。諏訪市と岡谷市では、諏訪ICと岡谷ICのおおむね中間に位置する諏訪湖SAへのスマートインターチェンジ設置に向け、調整・検討を重ねた結果、令和元年に国土交通大臣から中央自動車道と諏訪市道、岡谷市道への連結が許可されたため、事業化を決定し、2023年度末の供用開始を目標に計画を推進しています。スマートインターチェンジ整備により、観光資源、産業資源へのアクセスの格段の向上、地域道路や既存ICの渋滞緩和、観光客の増加、産業の更なる発展、生活環境の確保、災害時・緊急時の重要輸送路の確保など将来の大きな地域活性化が期待されます。諏訪72 ファイナンス 2020 Jul.連載各地の話題

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