ファイナンス 2020年7月号 No.656
61/86

第三十回(終) ラーメン大好き。新潟大好き。ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?ラーメン。日本人が愛してやまない食事の王道です。本ファイナンスでもラーメン官僚による「かずあっきいのラーメン探訪記」を連載していたくらいです。私もラーメン好きで、ラーメン博物館が新横浜にできる年にちょうど上京し、北海道「すみれ」の味噌ラーメンを食べたときの感動をよく覚えています。大学生から二十代前半の頃は「どうとんぼり神座」や「一蘭」のラーメンを食べるために大阪や福岡に行ったりしていました。新潟もラーメン王国消費量、人口当たり店舗数等統計の取り方によりますが、お隣の山形県が日本一のラーメン県と言われることが多く、新潟県を含め、北の地域が上位にランキングしています。山形と同じく日本蕎麦店も多いのですが、冬の寒さのなか、熱くて濃い一杯は一層おいしく感じますよね。新潟県は、新潟あっさり醤油、燕三条背脂、長岡生姜醤油、新潟濃厚味噌、三条カレーが特長として挙げられることが多いです。私は三条市生まれですが、高校卒業の後東京に来た際、カレーラーメンがどのラーメン店に入ってもメニューにないことに衝撃を受けたり、家でラーメンに玉ねぎをのせたら妻に違和感をもたれた(背脂ラーメンには、長ねぎでなく刻み玉ねぎがトッピングされているのです)といった文化の違いを感じたものです。ちなみに、ベースがとんこつスープの店が大半という九州のように、燕三条地域は背脂ラーメン店が大半、ということではありません。新潟県全般をみれば、やっぱり伝統的な「支那そば」と聞いて思い浮かべる醤油ベースに縮れ麺、が多い気がします。むしろ、新潟県全体では、レストラン・ラーメン店を展開する三宝グループがなじみが深いでしょうか。東京、シンガポール、カナダ、ニューヨークにもお店があるのですが、研究熱心なお店で、酸辣湯麺や麻婆麺など、ほんと美味しいです。麺、とジャンルを広げれば、洋風ソースの太麺やきそば「イタリアン」が新潟のB級グルメの代表と思います。やっぱり背脂ラーメン燕の金属洋食器産業で働く人々が出前で食べる際、麺がのびにくいよう極太にし、スープが冷めないように背脂を入れる工夫をしたことで誕生したものです。それぞれのお店に人気があるのですが、元祖の「杭州飯店」には、大型連休には香川の有名讃岐うどん店のように果てしなく列ができるほどです。写真だけみると油ギトギトでくどそうに見え、特に女性は敬遠しがちですが、実はスープは煮干しベースで、とても食べやすいんです。大半の県外の方は、この想像とのギャップにはまっていきます。写真1 杭州飯店の背脂ラーメン新潟県総務管理部長(元財務省広報室長)佐久間 寛道 ファイナンス 2020 Jul.57連載ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?

元のページ  ../index.html#61

このブックを見る