ファイナンス 2020年7月号 No.656
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日本国債VIXでは、日本国債先物のプットとコールの価格を用いて下記の式に基づきインプライド・ボラティリティ(、1と2は下記の通りです。1=ln(0/)+2/2√2=ln(0/)−2/2√=1−√けるべき点はボラティリティはとなっており、権利行使価格や時間に依存せず、になっている点です。本稿ではブラック・ショールズ・モデルやブラックモデ、ボラティリティ・スマイルがフラットになることを指摘しましたが、これはボラィに対してこのような想定を置くことからきています。を用いてオプションの国債先物オプションのプレミアムを計算する場合、先物の利行使価格、満期、金利、ボラティリティを代入すればコール及びプット・ンのプレミアムを計算することができます。ここでは、実際の数値例を用いて計算認しておきます。先物価格は円(0=152.49)、権利行使価格は円1.5)、安全利子率は(=0.023)、現時点は、満期は示であるため、=0.12)である日本国債先物オプションを考えます。ここで=ると、プット・オプションのプレミアム()は式()により算出することができ=−0.686952=−0.6774となることから、=0.213677が得られます。ースはを決めた上で式()を用いてを算出しましたが、実際には国債先物オプ市場で取引されてが決定されます。そのため、実際の計算では市場で得られるを逆算します。この時算出されたがブラックモデルからインプライされるボティ()になります。もっとも、に対応するを計算するには、例えば、様々なはハル()の第章をご参照ください。としてか月円を用いています。規分布の累積分布関数ですが、ハル()に記載しているとおり、というエ数を用いれば簡単に計算できます。)を算出します*21。ではブラックモデルを用いてインプライド・ボラティリティが算出されているわけではない点に注意が必要です。近年では、ボラティリティが時間を通じて変動することを許容し、ブラック・ショールズ・モデルやブラックモデルという特定のモデルを使わずにインプライド・ボラティリティを算出する方法も用いられています。これを特定のモデルに基づかないことから、モデル・フリー・インプライド・ボラティリティといいます。日本国債では、日本国債先物のプットとコールの価格を用いて下記の式に基づきインプライド・ボラティリティ()を算出します。2=2∑∆2()−1[0−1]2まず、この式においてコールとプットの価格は()に相当します。は番目のの権利行使価格ですが、権利行使価格毎にのプットとコールの価格の平均し、()を計算したうえで、権利行使価格を用いて一定のウェイトを用いて足し上げることでボラティリティを計算しています。はで定義されていますが、を用いている理由は、のオプションの方がより流動性が高いからです(その理由は服部()を参照ください)。上記の式は非常に複雑に見えますが、これは理論的にモデル・フリー・インプライド・ボラティリティが2⁡()[∫(,)2+∫(,)2∞0]となることを利用し((,)と(,)はは満期までの期間、は対象となる日本国債先物の価格、∆=(+1−−1)/2、0はに最も近い権利行使価格、は満期までのリスク・フリー金利です。まず、この式においてコールとプットの価格はブラックモデルではボラティリティが一定であることを想定しましたが、日本国債ではブラックモデルを用いてインプライド・ボラティリティが算出されているわけではない点に注意が必要です。近年では、ボラティリティが時間を通じて変動することを許容し、ブラック・ショールズ・モデルやブラックモデルという特定のモデルを使わずにインプライド・ボラティリティを算出する方法も用いられています。これを特定のモデルに基づかないことから、モデル・フリー・インプライド・ボラティリティといいます。日本国債では、日本国債先物のプットとコールの価格を用いて下記の式に基づきインプライド・ボラティリティ()を算出します。2=2∑∆2()−1[0−1]2まず、この式においてコールとプットの価格は()に相当します。は番目のの権利行使価格ですが、権利行使価格毎にのプットとコールの価格の平均し、()を計算したうえで、権利行使価格を用いて一定のウェイトを用いて足し上げることでボラティリティを計算しています。はで定義されていますが、を用いている理由は、のオプションの方がより流動性が高いからです(その理由は服部()を参照ください)。上記の式は非常に複雑に見えますが、これは理論的にモデル・フリー・インプライド・ボラティリティが2⁡()[∫(,)2+∫(,)2∞0]となることを利用し((,)と(,)はは満期までの期間、は対象となる日本国債先物の価格、∆=(+1−−1)/2、0はに最も近い権利行使価格、は満期までのリスク・フリー金利です。に相当します。ブラックモデルではボラティリティが一定であることを想定しましたが、日本国債ではブラックモデルを用いてインプライド・ボラティリティが算出されているわけではない点に注意が必要です。近年では、ボラティリティが時間を通じて変動することを許容し、ブラック・ショールズ・モデルやブラックモデルという特定のモデルを使わずにインプライド・ボラティリティを算出する方法も用いられています。これを特定のモデルに基づかないことから、モデル・フリー・インプライド・ボラティリティといいます。日本国債では、日本国債先物のプットとコールの価格を用いて下記の式に基づきインプライド・ボラティリティ()を算出します。2=2∑∆2()−1[0−1]2まず、この式においてコールとプットの価格は()に相当します。は番目のの権利行使価格ですが、権利行使価格毎にのプットとコールの価格の平均し、()を計算したうえで、権利行使価格を用いて一定のウェイトを用いて足し上げることでボラティリティを計算しています。はで定義されていますが、を用いている理由は、のオプションの方がより流動性が高いからです(その理由は服部()を参照ください)。上記の式は非常に複雑に見えますが、これは理論的にモデル・フリー・インプライド・ボラティリティが2⁡()[∫(,)2+∫(,)2∞0]となることを利用し((,)と(,)はは満期までの期間、は対象となる日本国債先物の価格、∆=(+1−−1)/2、0はに最も近い権利行使価格、は満期までのリスク・フリー金利です。はi番目のOTMの権利行使価格ですが、権利行使価格ごとのOTMの価格を日本国債とモデル・フリー・インプライド・ボラティリティブラックモデルではボラティリティが一定であることを想定しましたが、日本国債ではブラックモデルを用いてインプライド・ボラティリティが算出されているわけではない点に注意が必要です。近年では、ボラティリティが時間を通じて変動することを許容し、ブラック・ショールズ・モデルやブラックモデルという特定のモデルを使わずにインプライド・ボラティリティを算出する方法も用いられています。これを特定のモデルに基づかないことから、モデル・フリー・インプライド・ボラティリティといいます。日本国債では、日本国債先物のプットとコールの価格を用いて下記の式に基づきインプライド・ボラティリティ()を算出します。2=2∑∆2()−1[0−1]2まず、この式においてコールとプットの価格は()に相当します。は番目のの権利行使価格ですが、権利行使価格毎にのプットとコールの価格の平均し、()を計算したうえで、権利行使価格を用いて一定のウェイトを用いて足し上げることでボラティリティを計算しています。はで定義されていますが、を用いている理由は、のオプションの方がより流動性が高いからです(その理由は服部()を参照ください)。上記の式は非常に複雑に見えますが、これは理論的にモデル・フリー・インプライド・ボラティリティが2⁡()[∫(,)2+∫(,)2∞0]となることを利用し((,)と(,)はは満期までの期間、は対象となる日本国債先物の価格、∆=(+1−−1)/2、0はに最も近い権利行使価格、は満期までのリスク・フリー金利です。としたうえで*22、一定のウェイトを用いて足し上げ、一定の調整を加えることでボラティリティを計算しています。日本国債とモデル・フリー・インプライド・ボラティリティブラックモデルではボラティリティが一定であることを想定しましたが、日本国債ではブラックモデルを用いてインプライド・ボラティリティが算出されているわけではない点に注意が必要です。近年では、ボラティリティが時間を通じて変動することを許容し、ブラック・ショールズ・モデルやブラックモデルという特定のモデルを使わずにインプライド・ボラティリティを算出する方法も用いられています。これを特定のモデルに基づかないことから、モデル・フリー・インプライド・ボラティリティといいます。日本国債では、日本国債先物のプットとコールの価格を用いて下記の式に基づきインプライド・ボラティリティ()を算出します。2=2∑∆2()−1[0−1]2まず、この式においてコールとプットの価格は()に相当します。は番目のの権利行使価格ですが、権利行使価格毎にのプットとコールの価格の平均し、()を計算したうえで、権利行使価格を用いて一定のウェイトを用いて足し上げることでボラティリティを計算しています。はで定義されていますが、を用いている理由は、のオプションの方がより流動性が高いからです(その理由は服部()を参照ください)。上記の式は非常に複雑に見えますが、これは理論的にモデル・フリー・インプライド・ボラティリティが2⁡()[∫(,)2+∫(,)2∞0]となることを利用し((,)と(,)はは満期までの期間、は対象となる日本国債先物の価格、∆=(+1−−1)/2、0はに最も近い権利行使価格、は満期までのリスク・フリー金利です。はOTMで定義されていますが、OTMを用いている理由は、OTMのオプションの方がITMより流動性が高いからです(その理由は服部(2020b)を参照ください)。上記の式は非常に複雑に見えますが、これは理論的にモデル・フリー・インプライド・ボラティリティがではブラックモデルを用いてインプライド・ボラティリティが算出されているわけではない点に注意が必要です。近年では、ボラティリティが時間を通じて変動することを許容し、ブラック・ショールズ・モデルやブラックモデルという特定のモデルを使わずにインプライド・ボラティリティを算出する方法も用いられています。これを特定のモデルに基づかないことから、モデル・フリー・インプライド・ボラティリティといいます。日本国債では、日本国債先物のプットとコールの価格を用いて下記の式に基づきインプライド・ボラティリティ()を算出します。2=2∑∆2()−1[0−1]2まず、この式においてコールとプットの価格は()に相当します。は番目のの権利行使価格ですが、権利行使価格毎にのプットとコールの価格の平均し、()を計算したうえで、権利行使価格を用いて一定のウェイトを用いて足し上げることでボラティリティを計算しています。はで定義されていますが、を用いている理由は、のオプションの方がより流動性が高いからです(その理由は服部()を参照ください)。上記の式は非常に複雑に見えますが、これは理論的にモデル・フリー・インプライド・ボラティリティが2⁡()[∫(,)2+∫(,)2∞0]となることを利用し((,)と(,)はは満期までの期間、は対象となる日本国債先物の価格、∆=(+1−−1)/2、0はに最も近い権利行使価格、は満期までのリスク・フリー金利です。となることを利用し(ではブラックモデルを用いてインプライド・ボラティリティが算出されているわけではない点に注意が必要です。近年では、ボラティリティが時間を通じて変動することを許容し、ブラック・ショールズ・モデルやブラックモデルという特定のモデルを使わずにインプライド・ボラティリティを算出する方法も用いられています。これを特定のモデルに基づかないことから、モデル・フリー・インプライド・ボラティリティといいます。日本国債では、日本国債先物のプットとコールの価格を用いて下記の式に基づきインプライド・ボラティリティ()を算出します。2=2∑∆2()−1[0−1]2まず、この式においてコールとプットの価格は()に相当します。は番目のの権利行使価格ですが、権利行使価格毎にのプットとコールの価格の平均し、()を計算したうえで、権利行使価格を用いて一定のウェイトを用いて足し上げることでボラティリティを計算しています。はで定義されていますが、を用いている理由は、のオプションの方がより流動性が高いからです(その理由は服部()を参照ください)。上記の式は非常に複雑に見えますが、これは理論的にモデル・フリー・インプライド・ボラティリティが2⁡()[∫(,)2+∫(,)2∞0]となることを利用し((,)と(,)はは満期までの期間、は対象となる日本国債先物の価格、∆=(+1−−1)/2、0はに最も近い権利行使価格、は満期までのリスク・フリー金利です。とではブラックモデルを用いてインプライド・ボラティリティが算出されているわけではない点に注意が必要です。近年では、ボラティリティが時間を通じて変動することを許容し、ブラック・ショールズ・モデルやブラックモデルという特定のモデルを使わずにインプライド・ボラティリティを算出する方法も用いられています。これを特定のモデルに基づかないことから、モデル・フリー・インプライド・ボラティリティといいます。日本国債では、日本国債先物のプットとコールの価格を用いて下記の式に基づきインプライド・ボラティリティ()を算出します。2=2∑∆2()−1[0−1]2まず、この式においてコールとプットの価格は()に相当します。は番目のの権利行使価格ですが、権利行使価格毎にのプットとコールの価格の平均し、()を計算したうえで、権利行使価格を用いて一定のウェイトを用いて足し上げることでボラティリティを計算しています。はで定義されていますが、を用いている理由は、のオプションの方がより流動性が高いからです(その理由は服部()を参照ください)。上記の式は非常に複雑に見えますが、これは理論的にモデル・フリー・インプライド・ボラティリティが2⁡()[∫(,)2+∫(,)2∞0]となることを利用し((,)と(,)はは満期までの期間、は対象となる日本国債先物の価格、∆=(+1−−1)/2、0はに最も近い権利行使価格、は満期までのリスク・フリー金利です。はそれぞれ満期ハル()に記載しているとおり、ブラップレミアム、をプット・オプションのプレミア=−[0(=−[(−ここで、1と2は下記の通りです。1=ln(0/2=ln(0/)−2√気を付けるべき点はボラティリティはとなっ一定の値になっている点です。本稿ではブラッルの場合、ボラティリティ・スマイルがフラットティリティに対してこのような想定を置くことこの式を用いてオプションの国債先物オプシ価格0、権利行使価格、満期、金利、ボラテオプションのプレミアムを計算することができ方法を確認しておきます。先物価格は円(=151.5)、安全利子率は(=0.023(は年表示であるため、=0.12)である日本2.75とすると、プット・オプションのプレミアムます。1=−0.686952=−0.6774となることこのケースはを決めた上で式()を用いてションが市場で取引されてが決定されます。そを下に、を逆算します。この時算出されたがラティリティ()になります。もっとも、に具体的にはハル()の第章をご参照くださいここではとしてか月円を用いています。は正規分布の累積分布関数ですが、ハル(クセルの関数を用いれば簡単に計算できます。、権利行使価格はもう少し具体的に同モデルについて考えます。ハル()に記載しているとおり、ブラックモデルではをコール・オプションのプレミアム、をプット・オプションのプレミアムとすると、下記の通りです。=−[0(1)−(2)]=−[(−2)−0(1)]ここで、1と2は下記の通りです。1=ln(0/)+2/2√2=ln(0/)−2/2√=1−√気を付けるべき点はボラティリティはとなっており、権利行使価格や時間に依存せず、一定の値になっている点です。本稿ではブラック・ショールズ・モデルやブラックモデルの場合、ボラティリティ・スマイルがフラットになることを指摘しましたが、これはボラティリティに対してこのような想定を置くことからきています。この式を用いてオプションの国債先物オプションのプレミアムを計算する場合、先物の価格0、権利行使価格、満期、金利、ボラティリティを代入すればコール及びプット・オプションのプレミアムを計算することができます。ここでは、実際の数値例を用いて計算方法を確認しておきます。先物価格は円(0=152.49)、権利行使価格は円(=151.5)、安全利子率は(=0.023)、現時点は、満期は(は年表示であるため、=0.12)である日本国債先物オプションを考えます。ここで=2.75とすると、プット・オプションのプレミアム()は式()により算出することができます。1=−0.686952=−0.6774となることから、=0.213677が得られます。このケースはを決めた上で式()を用いてを算出しましたが、実際には国債先物オプションが市場で取引されてが決定されます。そのため、実際の計算では市場で得られるを下に、を逆算します。この時算出されたがブラックモデルからインプライされるボラティリティ()になります。もっとも、に対応するを計算するには、例えば、様々な具体的にはハル()の第章をご参照ください。ここではとしてか月円を用いています。は正規分布の累積分布関数ですが、ハル()に記載しているとおり、というエクセルの関数を用いれば簡単に計算できます。のプットとコール・オプションのプライス)、これを近似的に計算したものです。この式の導出は非常にテクニカルであるため、この式の背景を知りたい人は大屋(2019)や杉原(2010)などを参照してください。なお、日本国債VIXではちょうど満期が1か月に相当するボラティリティを算出していますが、市場には必ずしもちょうど満期が1か月に相当するオプションが取引されているとは限りません。そのため、日本国債VIXでは、満期が1か月未満である第一限月と、満期が1か月以上2か月未満の第二限月のコールとプットの価格を用いて、上記の式に基づきそれぞれ満期、権利行使価格のプットとコール・オプションのプラに計算したものです。この式の導出は非常にテクニカルであるため、こい人は大屋()や杉原()などを参照してください。なお、日本国債ではちょうど満期がか月に相当するボラティますが、市場には必ずしもちょうど満期が1か月に相当するオプショとは限りません。そのため、日本国債では、満期がか月未満で期がか月以上か月未満の第二限月のコールとプットの価格を用いき2を算出し、これらの線形補間をすることでちょうどか月のボラていることに注意が必要です。参考文献大屋幸輔()「インプライド・モーメントがもたらす情報:のか」『現代経済学の潮流』–崎山登志之・眞壁祥史・長野哲平()「オプションから抽出し充-テールリスク指標とボラティリティの期間構造-」日銀レビ杉原慶彦()「我が国株式市場のモデル・フリー・インプライド『金融研究』–エマニュエル・ダーマン()「物理学者、ウォール街を往く。―東洋経済新報社マーティン・バクスター、アンドリュー・レニー()「デリバ―金融工学への確率解析」シグマベイスキャピタル服部孝洋()「イールドカーブ(金利の期間構造)の決定要因を中心とした学術論文のサーベイ―」ファイナンス月号、–服部孝洋()「国債先物オプション入門―オプション市場について―」–服部孝洋()「国債先物オプション入門―プット・コール・パ–ジョン・ハル()「フィナンシャルエンジニアリング〔第版引とリスク管理の総体系」きんざい三菱東京銀行()「デリバティブ取引のすべて~変~」きんざいを算出し、これらの線形補間をすることでちょうど1か月のボラティリティを計算していることに注意が必要です。*21) ラックモデル(ブラック・モデル))では、ブラックモデル(ブラック・モデル)とは、フィッシャー・ブラ年に発表した論文で提案されたモデルであり、通常のブラック・ショールにおける株価をフォワード価格へ修正したモデルであると説明しました。ここで具体的に同モデルについて考えます。)に記載しているとおり、ブラックモデルではをコール・オプションの、をプット・オプションのプレミアムとすると、下記の通りです。=−[0(1)−(2)]=−[(−2)−0(1)]1と2は下記の通りです。1=ln(0/)+2/2√2=ln(0/)−2/2√=1−√るべき点はボラティリティはとなっており、権利行使価格や時間に依存せず、なっている点です。本稿ではブラック・ショールズ・モデルやブラックモデボラティリティ・スマイルがフラットになることを指摘しましたが、これはボラに対してこのような想定を置くことからきています。用いてオプションの国債先物オプションのプレミアムを計算する場合、先物の利行使価格、満期、金利、ボラティリティを代入すればコール及びプット・のプレミアムを計算することができます。ここでは、実際の数値例を用いて計算しておきます。先物価格は円(0=152.49)、権利行使価格は円.5)、安全利子率は(=0.023)、現時点は、満期は示であるため、=0.12)である日本国債先物オプションを考えます。ここで=は満期までの期間、てを算出し、ちょうど市場価格のに等しくなるを見つけてくるなど、なります。)で記載したとおり、日本国債先物オプションはアメリカン・オプシックモデルはヨーロピアン・タイプのオプション・モデルです。その物オプションのを算出する際、ブラックモデルを用いることは、ションが事実上、ヨーロピアン・タイプのオプションとして取引されてい点に注意してください。服部()でも記載しましたが、日本国債先期前に行使されることはほとんどありません。()式を前提に考えました。この導出には測度変換などの知識が必要にデルの導出についてはすでに書籍が大量にありますので、その点は他の書えば、ブラック・ショールズによるオプション公式の導出についてはハルター・レニー()、村上()などを参照してください。とモデル・フリー・インプライド・ボラティリティデルではボラティリティが一定であることを想定しましたが、日本国債モデルを用いてインプライド・ボラティリティが算出されているわけが必要です。近年では、ボラティリティが時間を通じて変動することを許ショールズ・モデルやブラックモデルという特定のモデルを使わずにラティリティを算出する方法も用いられています。これを特定のモデルにら、モデル・フリー・インプライド・ボラティリティといいます。では、日本国債先物のプットとコールの価格を用いて下記の式に基づきイティリティ()を算出します。2=2∑∆2()−1[0−1]2おいてコールとプットの価格は()に相当します。は番目のすが、権利行使価格毎にのプットとコールの価格の平均し、()、権利行使価格を用いて一定のウェイトを用いて足し上げることでボラは対象となる日本国債先物の価格、を式()に代入してを算出し、ちょうど市場価格のに等しくなるを見つけてくるなど、数値計算が必要になります。なお、服部()で記載したとおり、日本国債先物オプションはアメリカン・オプションですが、ブラックモデルはヨーロピアン・タイプのオプション・モデルです。そのため、日本国債先物オプションのを算出する際、ブラックモデルを用いることは、日本国債先物オプションが事実上、ヨーロピアン・タイプのオプションとして取引されていると想定している点に注意してください。服部()でも記載しましたが、日本国債先物オプションが満期前に行使されることはほとんどありません。上記では()と()式を前提に考えました。この導出には測度変換などの知識が必要になりますが、同モデルの導出についてはすでに書籍が大量にありますので、その点は他の書籍に譲ります。例えば、ブラック・ショールズによるオプション公式の導出についてはハル()、バクスター・レニー()、村上()などを参照してください。日本国債とモデル・フリー・インプライド・ボラティリティブラックモデルではボラティリティが一定であることを想定しましたが、日本国債ではブラックモデルを用いてインプライド・ボラティリティが算出されているわけではない点に注意が必要です。近年では、ボラティリティが時間を通じて変動することを許容し、ブラック・ショールズ・モデルやブラックモデルという特定のモデルを使わずにインプライド・ボラティリティを算出する方法も用いられています。これを特定のモデルに基づかないことから、モデル・フリー・インプライド・ボラティリティといいます。日本国債では、日本国債先物のプットとコールの価格を用いて下記の式に基づきインプライド・ボラティリティ()を算出します。2=2∑∆2()−1[0−1]2まず、この式においてコールとプットの価格は()に相当します。は番目のの権利行使価格ですが、権利行使価格毎にのプットとコールの価格の平均し、()を計算したうえで、権利行使価格を用いて一定のウェイトを用いて足し上げることでボラティリティを計算しています。はで定義されていますが、を用いている理由は、のオプションの方がより流動性が高いからです(その理由は服部()を参照ください)。上記の式は非常に複雑に見えますが、これは理論的にモデル・フリー・インプライド・ボラティリティが2⁡()[∫(,)2+∫(,)2∞0]となることを利用し((,)と(,)はは満期までの期間、は対象となる日本国債先物の価格、∆=(+1−−1)/2、0はに最も近い権利行使価格、は満期までのリスク・フリー金利です。、を式()に代入してを算出し、ちょうど市場価格のに等しくなるを見つけてくるなど、数値計算が必要になります。なお、服部()で記載したとおり、日本国債先物オプションはアメリカン・オプションですが、ブラックモデルはヨーロピアン・タイプのオプション・モデルです。そのため、日本国債先物オプションのを算出する際、ブラックモデルを用いることは、日本国債先物オプションが事実上、ヨーロピアン・タイプのオプションとして取引されていると想定している点に注意してください。服部()でも記載しましたが、日本国債先物オプションが満期前に行使されることはほとんどありません。上記では()と()式を前提に考えました。この導出には測度変換などの知識が必要になりますが、同モデルの導出についてはすでに書籍が大量にありますので、その点は他の書籍に譲ります。例えば、ブラック・ショールズによるオプション公式の導出についてはハル()、バクスター・レニー()、村上()などを参照してください。日本国債とモデル・フリー・インプライド・ボラティリティブラックモデルではボラティリティが一定であることを想定しましたが、日本国債ではブラックモデルを用いてインプライド・ボラティリティが算出されているわけではない点に注意が必要です。近年では、ボラティリティが時間を通じて変動することを許容し、ブラック・ショールズ・モデルやブラックモデルという特定のモデルを使わずにインプライド・ボラティリティを算出する方法も用いられています。これを特定のモデルに基づかないことから、モデル・フリー・インプライド・ボラティリティといいます。日本国債では、日本国債先物のプットとコールの価格を用いて下記の式に基づきインプライド・ボラティリティ()を算出します。2=2∑∆2()−1[0−1]2まず、この式においてコールとプットの価格は()に相当します。は番目のの権利行使価格ですが、権利行使価格毎にのプットとコールの価格の平均し、()を計算したうえで、権利行使価格を用いて一定のウェイトを用いて足し上げることでボラティリティを計算しています。はで定義されていますが、を用いている理由は、のオプションの方がより流動性が高いからです(その理由は服部()を参照ください)。上記の式は非常に複雑に見えますが、これは理論的にモデル・フリー・インプライド・ボラティリティが2⁡()[∫(,)2+∫(,)2∞0]となることを利用し((,)と(,)はは満期までの期間、は対象となる日本国債先物の価格、∆=(+1−−1)/2、0はに最も近い権利行使価格、は満期までのリスク・フリー金利です。はを式()に代入してを算出し、ちょうど市場価格のに等しくなるを見つけてくるなど、数値計算が必要になります。なお、服部()で記載したとおり、日本国債先物オプションはアメリカン・オプションですが、ブラックモデルはヨーロピアン・タイプのオプション・モデルです。そのため、日本国債先物オプションのを算出する際、ブラックモデルを用いることは、日本国債先物オプションが事実上、ヨーロピアン・タイプのオプションとして取引されていると想定している点に注意してください。服部()でも記載しましたが、日本国債先物オプションが満期前に行使されることはほとんどありません。上記では()と()式を前提に考えました。この導出には測度変換などの知識が必要になりますが、同モデルの導出についてはすでに書籍が大量にありますので、その点は他の書籍に譲ります。例えば、ブラック・ショールズによるオプション公式の導出についてはハル()、バクスター・レニー()、村上()などを参照してください。日本国債とモデル・フリー・インプライド・ボラティリティブラックモデルではボラティリティが一定であることを想定しましたが、日本国債ではブラックモデルを用いてインプライド・ボラティリティが算出されているわけではない点に注意が必要です。近年では、ボラティリティが時間を通じて変動することを許容し、ブラック・ショールズ・モデルやブラックモデルという特定のモデルを使わずにインプライド・ボラティリティを算出する方法も用いられています。これを特定のモデルに基づかないことから、モデル・フリー・インプライド・ボラティリティといいます。日本国債では、日本国債先物のプットとコールの価格を用いて下記の式に基づきインプライド・ボラティリティ()を算出します。2=2∑∆2()−1[0−1]2まず、この式においてコールとプットの価格は()に相当します。は番目のの権利行使価格ですが、権利行使価格毎にのプットとコールの価格の平均し、()を計算したうえで、権利行使価格を用いて一定のウェイトを用いて足し上げることでボラに最も近い権利行使価格、を式()に代入してを算出し、ちょうど市場価格のに等しくなる数値計算が必要になります。なお、服部()で記載したとおり、日本国債先物オプショョンですが、ブラックモデルはヨーロピアン・タイプのオプシため、日本国債先物オプションのを算出する際、ブラック日本国債先物オプションが事実上、ヨーロピアン・タイプのオプシると想定している点に注意してください。服部()でも記載物オプションが満期前に行使されることはほとんどありません。上記では()と()式を前提に考えました。この導出には測度なりますが、同モデルの導出についてはすでに書籍が大量にありま籍に譲ります。例えば、ブラック・ショールズによるオプション公()、バクスター・レニー()、村上()などを参照日本国債とモデル・フリー・インプライド・ボラテブラックモデルではボラティリティが一定であることを想ではブラックモデルを用いてインプライド・ボラティリテではない点に注意が必要です。近年では、ボラティリティが時間を容し、ブラック・ショールズ・モデルやブラックモデルというインプライド・ボラティリティを算出する方法も用いられています基づかないことから、モデル・フリー・インプライド・ボラティリ日本国債では、日本国債先物のプットとコールの価格を用ンプライド・ボラティリティ()を算出します。2=2∑∆2()−1[0−1]2まず、この式においてコールとプットの価格は()に相当しまの権利行使価格ですが、権利行使価格毎にのプットとコールは満期までのリスク・フリー金利です。*22) ただし、ATMと判定されるど市場価格のに等しくなるを見つけてくるなど、おり、日本国債先物オプションはアメリカン・オプシーロピアン・タイプのオプション・モデルです。そのを算出する際、ブラックモデルを用いることは、ーロピアン・タイプのオプションとして取引されていい。服部()でも記載しましたが、日本国債先とはほとんどありません。えました。この導出には測度変換などの知識が必要にはすでに書籍が大量にありますので、その点は他の書ールズによるオプション公式の導出についてはハル)、村上()などを参照してください。ー・インプライド・ボラティリティティが一定であることを想定しましたが、日本国債インプライド・ボラティリティが算出されているわけは、ボラティリティが時間を通じて変動することを許やブラックモデルという特定のモデルを使わずにする方法も用いられています。これを特定のモデルに・インプライド・ボラティリティといいます。プットとコールの価格を用いて下記の式に基づきイ算出します。∆2()−1[0−1]2トの価格は()に相当します。は番目の毎にのプットとコールの価格の平均し、()いて一定のウェイトを用いて足し上げることでボラで定義されていますが、を用いている理由り流動性が高いからです(その理由は服部()、これは理論的にモデル・フリー・インプライド・ボ∫(,)2∞]となることを利用し((,)と(,)は国債先物の価格、∆=(+1−−1)/2、0はに最も近いー金利です。の部分のみプットとコールの平均値を使います。参考文献[1]. 大屋幸輔(2019)「インプライド・モーメントがもたらす情報:VIXは何を伝えているのか」『現代経済学の潮流 2019』, 99–125.[2]. 崎山登志之・眞壁祥史・長野哲平(2017)「オプションから抽出した不確実性指標の拡充-テールリスク指標とボラティリティの期間構造-」日銀レビュー[3]. 櫻井豊(2016)「数理ファイナンスの歴史」きんざい[4]. 杉原慶彦(2010)「我が国株式市場のモデル・フリー・インプライド・ボラティリティ」『金融研究』29(2), 73–120.[5]. エマニュエル・ダーマン(2005)「物理学者、ウォール街を往く。―クオンツへの転進」東洋経済新報社[6]. 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