ファイナンス 2020年6月号 No.655
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1都城市の概要宮崎県と鹿児島県の県境に位置する当市は、人口163,470人(令和2年4月1日現在)の県内第2の都市で、古くから、主要幹線道路網や鉄道網の結節点となっているほか、現在も当市と鹿児島県志布志市を結ぶ「都城志布志地域高規格道路」の整備を進めるなど、地の利を活かした、南九州の拠点となっています。また、ふるさと納税の返礼品を「肉と焼酎」に特化したことで、平成27・28年度は「ふるさと納税日本一」に輝くなど、現在も好調に推移しております。2中心市街地中核施設「Mallmall(マルマル)」の整備宮崎県南・西部及び鹿児島県の一部を含む約25万人の経済圏の中心として、発展してきた当市の中心市街地は、圏域内外から来街者を誘引する中心核の役割を果たしてきました。しかし、昭和63年に全国で初めて都市計画法上の線引き制度の廃止に踏み切った結果、用途地域縁辺部や幹線道路沿道等の用途無指定(白地)地域に対する住宅及び商業施設等の開発圧力が高まり、結果として中心市街地の人口密度及び求心力の低下が進行することになりました。また、消費者ニーズの多様化や郊外部への大型商業施設の出店、複数のロードサイド型店舗の展開等が相次いだ結果、中心市街地の大型商業施設3店舗がすべて閉店するという状況に陥りました。そこで、当市では平成25年度に策定した都市再生整備計画「都城市中央地区」に基づき、中心市街地に新たな都市機能を集約し、賑わいの再生を図る事業として都城市中心市街地中核施設「Mallmall(マルマル)」の整備を進めてきました。本事業は、閉店した大型商業施設等の土地・建物を活用し、公民連携により、それぞれの施設や機能を集約整備することで、既存の都市機能との相乗効果により、まちなかの賑わいを再生することを目的としたものです。中核施設附帯駐車場図書館未来創造ステーションまちなか広場(屋根付き多目的広場)子育て世代活動支援センター(3F)保健センター(2F)まちなか交流センター(1F)中央バス待合所(1F)国道10号中心市街地中核施設「Mallmall」(マルマル)」(平成30年4月28日全館供用開始)3タウンマネージャーの配置当市では、中心市街地中核施設の整備を図るとともに、周辺の空き店舗対策や商店街の魅力を高める取組み、賑わい創出に係るソフト事業などを複合的に行うことが喫緊の課題と考え、「公民連携によるリノベーションまちづくり」を進めるために、タウンマネージャーの全国公募を行い、平成27年8月から、北九州市出身の二宮啓市氏をタウンマネージャーとして配置しました。なお、北九州市の小倉魚町商店街は、リノベーションまちづくりに一早く取り組み始めたまちであり、北九州市で開催されてきたリノベーションスクールに第1回から参加していた二宮タウンマネージャーを当市に配置したことから、その手法を当市でも取入れることとなりました。リノベーションによるまちづくり都城市商工観光部商工政策課副課長久保 尚裕都城市74 ファイナンス 2020 Jun.連載各地の話題

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