ファイナンス 2020年6月号 No.655
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文化の復興に関する我が国における中核的な役割を担うものとされています。内閣官房の総合調整のもと、国土交通省、文化庁及び運営主体となるアイヌ民族文化財団が連携して施設整備及び開業に向けた準備を進めてきました。民族共生象徴空間の愛称については、平成30年に行われた一般投票の結果、アイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」を意味する「ウポポイ」が採用されました。そしてウポポイは、本年、開業することになりました。※  当初は本年4月24日に開業することを予定して準備を進めてきましたが、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、6月1日現在、開業は延期されています。(2)構成施設ウポポイは、「中核区域」及び「慰霊施設」の2つのエリアに分かれています。中核区域は「国立アイヌ民族博物館」、「国立民族共生公園」で構成されています。また慰霊施設は、中核区域の東側に位置する高台に整備されています。先住民族にその遺骨を返還することが世界的な潮流となっていることも踏まえ、過去に発掘及び収集され、全国各地の大学において保管されてきたアイヌの人々の遺骨等が、関係者の理解及び協力の下でアイヌの人々への遺骨等の返還が進められているところです。このうち直ちに返還できない遺骨等をこの慰霊施設に集約し、アイヌの人々による尊厳ある慰霊の実現を図るとともに、アイヌの人々による受入体制が整うまでの間の適切な管理を行うこととされています。ア 国立アイヌ民族博物館国立アイヌ民族博物館は、北日本初の国立博物館であると同時に、先住民族アイヌを主題とした日本初の国立博物館でもあります。国立アイヌ民族博物館の特色は、アイヌの視点で語る「6つのテーマ展示」です。基本展示室では、「私たちのことば」、「私たちの歴史」、「私たちの仕事」、「私たちの交流」、「私たちのくらし」、「私たちの世界」のテーマごとに、現代に息づく多様なアイヌ文化とそれに関わる人々を多角的な視点から紹介します。特別展示室では、アイヌ文化、先住民族文化についての特交付金事業の例(北海道平取町)交付金事業の例(三重県松阪市)ウポポイ中核区域全景(イメージ)慰霊施設外観24 ファイナンス 2020 Jun.SPOT

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