ファイナンス 2020年6月号 No.655
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この規定に基づき、令和元年9月6日に基本方針が閣議決定されています。ウ 地域計画・交付金アイヌ施策を推進する上では、地域の創意工夫を生かし、かつ、きめ細かいニーズに応じた取組を全国的に促進することが必要です。そこでアイヌ施策推進法は、市町村(特別区を含む。以下同じ)を施策の中心的な実施主体と位置づけ、計画を策定した市町村に対する各種の支援措置を規定しています。市町村においては、基本方針に基づき、各地のアイヌ施策を推進するための地域計画を作成し、内閣総理大臣の認定を申請することができます。認定を受けると、新たに創設されたアイヌ政策推進交付金による支援などを受けることができるようになり、アイヌ文化の振興に関する事業のほか、観光プロモーション、ブランド化推進などの地域・産業振興事業、アイヌの人々と地域住民との交流の場の整備や高齢者のコミュニティ活動への支援、人材育成のための子どもの学習支援などのコミュニティ活動支援事業に対し、国から市町村への支援が行われています。(参考)アイヌ政策推進交付金の予算額(内閣府所管)令和元年度 10億円令和2年度 20億円また、アイヌの人々の要望を踏まえ、国有林野における林産物の採取や内水面におけるさけの採捕への配慮、地域団体商標の商標登録出願手数料の減免について法律上の特例措置を設けています。エ アイヌ政策推進本部アイヌ政策は幅広い省庁の所掌に係るため、各種の施策を政府一体となって総合的かつ効果的に推進する必要があることから、内閣官房長官を本部長とし、関係大臣で構成する「アイヌ政策推進本部」を内閣に設置しています。令和元年7月29日には、アイヌ政策推進本部の第1回会合が開催されています。オ 民族共生象徴空間(ウポポイ)民族共生象徴空間構成施設の管理業務等を指定法人に委託することとしています。令和元年5月24日には、国土交通大臣及び文部科学大臣により、公益財団法人アイヌ民族文化財団が指定法人に指定されています。4民族共生象徴空間(ウポポイ)について(1)ウポポイとはウポポイは、アイヌ文化復興等の拠点として北海道白老郡白老町のポロト湖畔に整備が進められてきたナショナルセンターです。アイヌの歴史、文化等に関する展示及び調査研究並びにアイヌ文化の伝承、そのための人材育成、体験交流、情報発信及び豊かな自然を活用した憩いの場の提供その他の取組を通じてアイヌ総合的なアイヌ政策の推進 ファイナンス 2020 Jun.23アイヌ政策の現状と「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の開業についてSPOT

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