ファイナンス 2020年6月号 No.655
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た。また、日本の他地域の人々やシベリア地方など北方の人々と広く交易を行っていました。(4)衣服アイヌの人々が身にまとう衣服には、普段着と特別な儀式のときの晴れ着があります。オヒョウニレ等の樹木の内皮で織ったアイヌの伝統的な衣服、他の民族との交流・交易で手に入れた木綿や絹等の布で作られた衣服など様々な種類があります。衣服を含め、アイヌの人々が身につけるものには、刺繍や継ぎ布などにより独特のアイヌ文様が施されています。(5)アイヌの人々の現在明治以降、アイヌ文化は衰退を続けましたが、その中で、現在ではほとんどのアイヌの人々は、衣食住などの日常生活においてほかの多くの日本人とほぼ変わらない様式で生活しています。その一方で、昭和50年代頃から、アイヌの人々の中で伝統的な儀礼などを復興する機運が高まり、各地で伝統的な儀式やアイヌ語学習が行われるようになりました。さらに平成9年の「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」(平成9年法律第52号。以下「アイヌ文化振興法」という。)の制定を契機に、アイヌの人々の文化伝承・保存活動は一層の広がりを見せています。北海道におけるアイヌの人々の数アイヌ文様の施された衣服 ファイナンス 2020 Jun.21アイヌ政策の現状と「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の開業についてSPOT

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