ファイナンス 2020年5月号 No.654
78/84

●はじめに呉税務署は、広島県西南部、瀬戸内のほぼ中央に位置しています。署の沿革は古く、明治23年広島県直税署間税署呉分署が開設され、明治29年に呉税務署として設置されました。幾度かの市町村合併を経て、平成17年より現行の呉市を管轄しています。呉鎮ちん守じゅ府ふが開庁した明治22年に約2万人だった呉市域の人口は、昭和18年には約40万人に増加しました。近代国家として西欧列強と渡り合うための海防力を備えるため鎮守府を設置して以降、人と先端技術が集まり、近代的な水道施設、鉄道の敷設、市街地の形成、海軍工こう廠しょう(艦艇の建造及び修繕)、海軍病院等多くの施設が運営され、日本の近代化を象徴するまちへと変貌しました。現在、呉市海事歴史科学館「大和ミュージアム」や、海上自衛隊呉史料館「てつのくじら館」をはじめ、戦時中の呉を舞台にした映画「この世界の片隅に」、「男たちの大和」、「アルキメデスの大戦」や、「海猿」等のロケ地のほか、北前船の寄港地で栄えた御みたらい手洗などに、多くの観光客が訪れています。戦後復興の礎となり、現在も「ものづくりのまち呉」を支えている海軍ゆかりの民間技術や、島々をつなぎ人々の交流や経済活動を支えている橋の整備を含め、呉の歴史などについて紹介させていただきます。◆音おんど戸の瀬戸都から厳いつく島、大宰府への主要海上ルートとして重要であった音戸の瀬戸は、本土と倉くら橋はし島との間にある海峡で、船の交通量が多く、幅は狭いところで80mと海の難所として奈良時代から知られていました。また、厳島神社参詣航路を整備するため、平清盛は金の扇を開いて西に沈む太陽を招き返し、音戸の瀬戸開削の難事業をその日のうちに完成させたと伝えられています。平清盛公日招像産業技術の先端を走る ものづくりのまち“呉”呉税務署 総務課長青木 潔呉市呉市公式キャラクター「呉氏」君とイー太君♪♪ 呉に来てクレ!!♪♪ スマホで申告してクレ!!74 ファイナンス 2020 May.連載各地の話題

元のページ  ../index.html#78

このブックを見る