ファイナンス 2020年5月号 No.654
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「日本海に浮かぶ宝島」 隠岐諸島西郷税務署 総務課長中原 弘樹●はじめに西郷税務署は、島根県の北東約44kmから80kmに位置する隠岐諸島(4つの主島と180余りの小島からなる)内にある「島どう後ご」隠岐の島町、「島どう前ぜん」西ノ島町、海あま士町及び知ち夫ぶ村の3町1村を管轄しています。隠岐島から北西約158kmの日本海に浮かぶ竹島は、隠岐の島町に属しています。古代には隠岐国と呼ばれ、724年に「配流の地」と定められて以降、鎌倉時代には「承久の乱」で後鳥羽上皇が、「元弘の変」で後醍醐天皇がご遷幸された地です。現在、隠岐諸島と本土を結ぶ交通機関は海路と空路があり、海路は大型フェリーや高速船が本土の境港・七類港と隠岐諸島の各港とを、空路は出雲空港・伊丹空港と隠岐空港を結んでいます。管内の経済は、漁業(イワシ、アジ、サバ等の多獲性回遊魚を対象とした巻き網漁や蟹やバイ貝等を獲る籠漁、イカ釣り及び定置網漁)、畜産業(放牧を主体とした肉用牛の繁殖)を中心とする第一次産業、観光関連業及び土木建設関連業が主要産業として島の経済を支えています。特に観光においては、美しい景観、謎多き生態系の存在、日本形成が垣間見える大地とその歴史等から、世界的に見ても貴重な島として平成25年に「世界ジオパーク」に認定されたことで、多くの観光客が来島しています。このような「日本海に浮かぶ宝島」隠岐諸島をご紹介します。◆島後(隠岐の島町)隠岐諸島最大の島で、周囲約200kmですが、幹線道路だと100kmで車なら2時間で1周でき、壮大な景観スポットや伝統文化、様々な史跡を有する隠岐諸島の経済・文化・交通等の中心地になります。では数ある景観スポットや伝統文化をご紹介します。【ローソク島】島後の北西の沖合に海から約20mの高さでそびえ立つ奇岩で、島の先端に夕日が重なるその瞬間、まるで一本のローソクに火を灯したように輝きます。船上からしか観ることのできないロマンチックで感動を生むその姿は、季節とともにその色を変え、波音とともに観る人の心に溶け込んでいきます。【白島海岸】島後随一の大パノラマが広がり国の名勝及び天然記念物に指定されています。長い年月の風化や海食作用によって特異な風景美を作り出しています。【岩倉の乳ち房ち杉すぎ】島後三大杉の一つであり、隠岐最高峰・大満寺山の麓にひっそり立つ奇杉で幹囲11m、主幹は15本に分かれており大小24個の乳房状の根が垂れ下がっている樹齢約800年、樹高約30mの巨木です。まさに森隠岐諸島68 ファイナンス 2020 May.連載各地の話題

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