ファイナンス 2020年5月号 No.654
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芸術の持つ力さて、話題が福島や早稲田や慶應義塾で、なかなか新潟が出てきませんね。「みやこのせいほく わせだのもりに」ではじまり、最後に「わせだ」のエールを7回送る「都の西北」の歌詞は、1883年新潟県糸魚川市出身の相そう馬ま御ぎょ風ふうさんによるものなのです。卒業まもなく、24歳で母校早稲田大学の校歌の作詞を依頼されるなんてすごいですよね。歌謡曲ですと、日本初の流行歌と言われる1914年の「カチューシャの唄」、動揺「春よこい」などの作詞が有名で、詩人、良寛研究の第一人者など文芸全般で活躍した文人です。また「エール」に戻ります。新型コロナウィルスによる肺炎で残念ながらお亡くなりになった志村けんさん。山田耕筰さんをモデルにした音楽界の重鎮、小山田耕三役として、5月1日から出演されていることも話題を呼んでいます。「赤とんぼ」等で著名な山田耕筰さんは校歌を多く残していますが、日本大学、東京都市大学、また新潟県内で言えば新潟明訓高校など、作詞相馬御風、作曲山田耕筰の校歌が見られます。さらに新潟関係では、戦後歌謡界の代表的作曲家の遠藤実さん、疎開をきっかけに現在の新潟市で育ちました。新潟市には記念館のほか、内野駅前広場には、ボタンを押すと千昌夫さんの「北国の春」舟木一夫さんの「高校三年生」遠藤実さんご自身の唄「ふるさとよありがとう」が流れる顕彰碑があります。「ふるさとよありがとう」は、新潟への感謝の気持ちがこもった曲です。「春よ来い 早く来い … おんもへ出たいと待っている」という気分ではありますが、今回改めて様々な応援歌を聴き、学んでとても元気がでました。甘いかもしれませんが、幸せは工夫次第でアップするな、と実感。芸術の持つ力は素晴らしいですね。すべての方が困難な状況にある中、お互いのエールが行き渡りますように。 ファイナンス 2020 May.61ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?連載ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?

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