ファイナンス 2020年5月号 No.654
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【医療水準】私はタイで一度しか病院に行ったことがなく(*)、多くを知らないところではありますが、タイの医療水準は世界的に見ても高いと言われています。まず医師の水準ですが、日本の医師国家試験とは異なり、心臓外科、整形外科、内科、脳外科など診療科ごとの免許であり、医師免許を取得している診療科以外の診療を行えないことから専門性が高いようです。医療ツーリズムとして中東系の旅行客にも人気があり、配偶者を多数引き連れ、悪いところを全員治して帰国するという光景を偶に目撃します。アラブ人専用病棟、(在留邦人が多いことから)日本人専用病棟なるものや、様々な言語に対応できる医療スタッフや通訳も充実しているため、私立病院の水準は日本の医療水準と比べて遜色ないと言われています。他方、公立の病院では予約ができず、非常に安価で2時間や3時間待つことはざらにあるそうですが、質は高いと聞きます。(*) 妻の実験台としてフルーツ酸ピーリングなるものを試してこいと命じられ、シミ取りで著名な医師の下でシミの箇所に針を刺し、フルーツ酸を注入するという施術を受けた程度です。今日の主流であるレーザーによるシミ取り以前の主流が本施術と聞きます。なお、約1,400バーツ(1バーツ=約3.3円(執筆時点)、約5,000円)と日本と比べると破格であり、妻曰く効果もあったため、おすすめです。駐在経験のある方(特に女性)がタイ旅行に行く際の目的の一つが美容とも言われ、シミ取り・たるみ取り・ほくろ取りなどを予約してから旅行に行かれるようです。【おわりに】執筆中の4月下旬の段階でCOVID-19の感染拡大に関して先の見えない状況ですが、早期の終息をお祈りするとともに、終息後に安全に渡航ができるようになったのちには、ぜひタイを訪れてみてください。最後になりますが、本稿は筆者の個人的な見解であり、日本政府及び在タイ日本国大使館としての見解ではないことを付言させていただきます。2019年11月 ASEANサミット直前のバンコク ファイナンス 2020 May.49海外ウォッチャーFOREIGN WATCHER連載海外 ウォッチャー

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