ファイナンス 2020年5月号 No.654
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摘発事例2 洋上取引(過去3番目の押収量)令和元年12月、門司税関等は、東シナ海において洋上取引された覚醒剤約587kgを熊本県天草市魚おにき貫町の港において発見、摘発しました。3大麻の密輸入動向大麻の摘発件数は241件(前年比11%増)と僅かに増加した一方、押収量は約78kg(前年比50%減)と半減しました。なお、摘発件数については、2年連続で200件超えとなり、平成27年から倍増しました。大麻のうち、大麻草の摘発件数・押収量はともに減少しました。一方で、大麻樹脂等*7は、摘発件数(131件(前年比46%増))、押収量(約17kg(前年比31%増))ともに増加しました。[表1参照]4麻薬の密輸入動向麻薬(ヘロイン、コカイン、MDMA等)の摘発件数は209件(前年比7%減)と僅かに減少したものの、押収量は約656kg(前年比約4.1倍)と大幅に増加しました。特に、コカインの摘発件数は52件(前年比10%減)と僅かに減少したものの、押収量は約638kg(前年比約4.2倍)と大幅に増加しました。これは、コカインとしては過去最高となる約400kg、同過去2位となる約178kgの大口事犯を摘発したことが主たる要因と考えられます。[表1参照]*7) 大麻樹脂のほか、大麻リキッド・大麻菓子等の大麻製品を含みます。摘発事例3 海上貨物(コカインで過去最高の押収量)令和元年10月、神戸税関は、ブラジルから到着した海上コンテナ貨物に隠匿されたコカイン約400kgを発見・摘発しました。摘発事例4 外国貿易船(コカインで過去2番目の押収量)令和元年8月、名古屋税関は、三河港(豊橋)に入港した外国貿易船の船底にある海水取入口に隠匿されたコカイン約178kgを発見・摘発しました。おわりに以上のとおり、令和元年の税関における密輸事件の摘発実績をみると、大量の不正薬物が日本に向けられていることがうかがわれ、極めて深刻な状況にあります。財務省・税関としては、このような状況に対応し、国民の安全・安心の確保に向けた更なる厳正な水際取締りを実施してまいります。28 ファイナンス 2020 May.SPOT

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