ファイナンス 2020年5月号 No.654
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4国税不服審判所の特色(1)国税不服審判所長の裁決権国税不服審判所長が「裁決権」を有していること、これが前身の協議団との最大の相違点である。裁決は、関係行政庁を拘束する行政部内の最終判断であり、原処分庁は裁決に不服があったとしても、裁決の取消しを求めて裁判所に出訴することはできない。原処分を取り消し、又は変更する裁決があれば、裁決自体の効力により、違法又は不当とされた原処分は当然に取り消され、又は変更される。また、裁決は関係行政庁を拘束することから、原処分庁その他の関係行政庁は、裁決で示された判断と抵触する再度の処分等を行うことは許されない。図表2 再調査決定を経た場合・・・・ 再調査決定書謄本の送達があった日の翌日から1か月以内 (注)1 国税庁長官が行った処分に不服がある場合は、国税庁長官に対する審査請求を経て、訴訟を提起することができます(国税不服審判所長に対する審査請求をすることはできません。)。 2 国税徴収法第171条第1項又は第2項の適用があるときの不服申立期間については、上記の期間と異なる場合があります。 3か月以内 3か月以内 税務署長、国税局長又は税関長が行った処分 1か月以内 再調査決定 3か月を経過しても再調査決定がない場合 3か月以内 登録免許税について登記官が行った処分、 自動車重量税について国土交通大臣等が行った処分 6か月以内 原処分取消訴訟等(地方裁判所) 税務署長、国税局長又は税関長に対する再調査の請求 裁 決 3か月を経過しても 裁決がない場合 国税不服審判所長に対する審査請求 審査請求又は再調査の請求のいずれかを選択 裁決までに要する標準的な期間は、1年です。 国税に関する不服申立制度の概要図 (注)1 国税庁長官が行った処分に不服がある場合は、国税庁長官に対する審査請求を経て、訴訟を提起することができます(国税不服審判所長に対する審査請求をすることはできません。)。2 国税徴収法第171条第1項又は第2項の適用があるときの不服申立期間については、上記の期間と異なる場合があります。12 ファイナンス 2020 May.SPOT

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