ファイナンス 2020年5月号 No.654
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1はじめに国税不服審判所は、裁決権を執行系統である国税局等から分離し、独立して裁決を行う機関として、昭和45年5月1日に設立され、本年5月1日に満50年を迎えた。その使命は、一貫して、税務行政部内における公正な第三者的機関として、適正かつ迅速な事件処理を通じて納税者の正当な権利利益の救済を図るとともに、税務行政の適正な運営の確保に資するところにある。幸いなことに、今日では、納税者の正当な権利救済機関として内外から高い信頼と評価を得ているものと認識している。本稿では、国税不服審判所の組織と取組について紹介する。なお、文中意見にわたる部分は筆者の私見である。2国税不服審判所の任務と組織国税不服審判所は、税務行政部内における公正な第三者的機関として、国税に関する法律に基づく処分についての審査請求に対する裁決を行う機関である(国税通則法第78条第1項)。国税不服審判所は全国を管轄する一つの組織であるが、審査請求人の便宜と審査請求の効率的な処理に資することを目的として、全国に12か所の支部と7つの支所が設置されている。国税不服審判所の定員は471名であり、支部の規模に応じた配置をしている(図表1参照)。国税不服審判所の50年~ 半世紀 変わらぬ使命 これからも ~国税不服審判所管理室長 渡辺 隆図表1 組織図 <特別の機関>国税不服審判所国税局国税事務所税務署国税庁税務大学校支所(7)新潟、長野、横浜、静岡、京都、神戸、岡山 本部東京(霞が関)支部()札幌、仙台、関東信越、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、熊本、沖縄10 ファイナンス 2020 May.SPOT

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