説に言及している。また1944年のヒトラー暗殺計画の構想段階に関っていたという説も紹介している。1943年4月、ヒトラーが復讐をはたせないうちにハマーシュタインは死去した。上級大将にふさわしくベルリンの軍人墓地に埋葬したいと軍から申し入れがあったが、鍵十字の旗で棺を覆うことが条件だというので、家族はこれを拒否し、ハマーシュタイン家の墓地に埋葬した。ヒトラーから贈られた花輪のリボンは、親族が地下鉄に「忘れたため」付されていなかった。狩りを愛し、コニャックと高級葉巻を愛したハマーシュタイン男爵は、妻との間に4人の娘と3人の息子に恵まれた。子供たちは奔放さで知られ、マリー・テレーゼとヘルガの2人の娘は共産党の非合法活動にも従事した。ハマーシュタインは、あるとき、どのような視点で部下の将校を判断するのかと聞かれて、以下のようなことを述べたという。自分は、部下を利口な将校、勤勉な将校、馬鹿な将校、怠け者の将校の四つのタイプに分ける。たいてい二つのタイプの組み合わせである。まず、利口で勤勉な奴。これは参謀本部に必要だ。次は馬鹿で怠け者。これは9割いてルーチンワークに向いている。利口で怠け者というのが、トップのリーダーとして仕事をする資格がある。難しい決定をするときに、クリアな精神と強い神経を持っているからだ。最も用心しなければならないのは、馬鹿で勤勉なタイプで、これには責任ある仕事を任せてはならない。どう転んでも災いしか引き起こさないだろうから。いやはやクールなお言葉。戦時中米国側から最も恐るべき敵と称されたマンシュタイン元帥は、回想録の中でハマーシュタインを「もっとも利口な人間の一人」と評し、彼が「（勤勉さは）平均的な人間にはなくてはならんものだ」と（周囲を）気の毒がっていたことを紹介して、「（彼は）勤勉という特性をほとんど使わなかった。すばやく把握する才能と鋭い知性があったからだ」と解説している。ハマーシュタインの4分類は、将校の配置基準として有用だと思うが、自省のための警句として活用するのは難しい。人間は多くの場合、自分が怠惰であることは認めても自分が愚鈍であるとは認めないからである。とはいえ、この4分類、人間観察として実に秀逸ではないか。寝椅子から起きるとそろそろスープができたようだ。晩の鍋物が楽しみだ。〈材料〉 手羽先10本、鶏もも肉1枚、鶏もも挽肉300～400g、蓮根5cm（あらみじん切り）、長ねぎ2本（青い部分は取り分け、白い部分のうち5cmぐらいみじん切り、残りは薄く斜め切り）、きゃべつ半玉（芯の部分を取り分け、残りを一口大に切る、春菊半束、絹豆腐1丁（8等分に切る）、卵1個、刻み昆布1つかみ、にんにく2片（1片はみじん切り、1片は二つに切る）、椎茸6本（石突を取り分け、傘の部分を縦に4つに切る）、しょうが5cm大（半分はみじん切り）、酒（大匙2）、中華スープの素、粉末かつおだし（大匙1）、片栗粉、粉山椒（1）大きな鍋にたっぷり湯を沸かす。（2）手羽先の先端部を関節のところで切り離し、鍋に入れる。太い部分（手羽中）に塩胡椒し、さらにガーリックパウダーを振って、魚焼き用のロースターで中火で5～6分焼く。こんがりいい色に焼けたら七味唐辛子を振って食べる。食べた後の骨は鍋に放り込む。（3）鶏皮、ねぎの青い部分、キャベツの芯、椎茸の石突を鍋に投入。にんにく、しょうがのみじん切り以外の部分も入れ、3時間以上煮続ける。適宜水を補給し、最終的なスープの出来上がり3～4ℓをめざす。（4）夕食前15分になったら、鍋物用の鍋に刻み昆布、鶏肉、きゃべつ、椎茸、豆腐各適量を入れ、斜め切りしたねぎとみじん切りしたにんにく、しょうがを散らし、スープを注いで煮る。（5）同時並行でつみれを作る。ボウルに鶏挽肉、蓮根、みじん切りしたねぎを入れて練り、塩小匙1、粉山椒小匙1、溶き卵、酒、水溶き片栗粉大匙2を入れ、さらに練る。（6）鍋にかつおだしを入れ、中華スープの素で味付けし、鍋を卓上コンロに移して食す。好みで、醤油、柑橘果汁、柚子胡椒やラー油を用いる。適宜つみれや野菜、スープを追加して食べる。（7）具を食べ終えたら、残った汁で雑炊を作る。＊ スープの残りは翌日ラーメンに使うとよい。濾したスープにねぎをどっさり入れて煮る。適宜味付しておろししょうがを加え、水溶き片栗粉で少しとろみをつけると、鶏煮込みそば風のおいしいラーメンスープになる。手羽先スープ鶏鍋のレシピ（4人分） ファイナンス 2020 Apr.63新々 私の週末料理日記 その35連載私の週末 料理日記
元のページ ../index.html#67