ファイナンス 2020年4月号 No.653
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メシャラや常緑樹のクスノキ、シラカシをバランスよく配置し、季節により花を咲かせる常緑の地被類等を敷き詰めることにより、四季を通じた彩の変化を感じさせる植栽とすることを決定した。◯令和元年8月当初は、全ての工事を令和元年10月末に終える予定としていたが、免震化後に整備が必要な内装改修工事や植栽等の関連工事が令和2年1月末に終了する見込みとなったため、工期の延長にかかる変更契約を行った。◯令和元年10月令和元年10月14日に免震装置の設置、拘束スラブの解体、庁舎建物と地上工作物の接続面の切断が完了した。第三者機関による竣工時検査が数日間にわたり実施され、これに合格し、国土交通省から令和元年10月29日付「財務省本庁舎耐震改修(15)建築工事免震化完了時検査報告書」を受領し、財務省本庁舎の免震化が確認された。免震化により、震度6強から7クラスの地震があった場合でも、建物への入力地震動が大幅に低減され、構造体に損傷を受けることはなくなった。また、耐震改修工事に伴うBCP対応工事として、非常用排水槽の新設と自家発電設備用オイルタンクの増設を行った。◯令和2年1月耐震改修工事に伴って一時閉鎖や仮移転していた会議室、食堂、コンビニ及び浴室等の各施設も北工区の完成と共に順次運用を開始し、前庭や中庭の植栽及び中庭駐車場等の外構整備が完了し、平成27年度から4年以上続いた耐震改修工事が無事に完成した。4発見○ 北側駐車場のアスファルトを剥がした際に、北玄関の西側に小さい石垣が積まれている場所が発見された。千代田区が調査した結果、江戸時代の生活用排水溝の遺構であることが判明した。遺構を破損しないよう工事を進め、工事後は現状のまま埋め戻した。○ 診療所の真下を掘削作業中に井戸の下部の木枠が発見された。上部は庁舎新築時に解体し、そのまま埋められたものと思われる。千代田区の調査において、特に貴重な品等の埋設もなかったため、そのまま解体した。○ 中庭北側の配管埋設工事に係る掘削作業中に、戦前のものとみられるオイルタンク(縦:約4.5m、横:約2.5m)が発見された。内容物を調査した結果、少量の油が混ざった水で満たされており、有害な物質は検出されなかったため、適正且つ安全な方法で元通りの状態に埋め戻した。○ 耐震改修工事にあたり、財務省本庁舎敷地内の大部分を地下1階床から深さ5.5m程度まで掘り下げたが、埋蔵金も大金庫も国会議事堂につながる地下道も発見できなかった。5さいごに財務省本庁舎は、昭和9年に現在地への建設が決定し、昭和11年から建設が始まった。その後、資材難により建設が一時打ち切られたり、仮竣工のまま使用◆ 診療所下から発見された井戸の枠 ◆36 ファイナンス 2020 Apr.SPOT

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