ファイナンス 2020年4月号 No.653
38/86

4号館の建替えを一時凍結することが、財務省(理財局)から入居予定官署あてに通知された。◯平成23年8月東日本大震災を受けてさらに経済財政事情が厳しくなる中、財政を所管する財務省として自ら率先して歳出節減の姿勢を示していく必要があることにも鑑み、財務省(理財局)から入居予定官署あてに、財務省・中央合同庁舎第4号館の建替え計画の実施を当面の間(10年程度以上)見合わせることが通知された。◯平成23年9月庁舎の建替えが10年程度以上見合わせとなったことにより、災害応急対策活動拠点として求められる耐震安全性を早期に確保していくことが必要となったことから、財務省(会計課)から国土交通省あてに、財務省及び中央合同庁舎第4号館の平成24年度からの耐震改修工事等の実施を申し入れた。◯平成24年7月財務省(会計課)から国土交通省あてに、耐震改修要望を含む営繕計画書を提出した。国土交通省から、耐震改修工事の工法案の提示を受け、財務省(会計課)において、基礎免震工法と内部補強工法の2案について比較検討を行った。ア 基礎免震工法概要:地下1階床下(基礎部)に免震装置を設置し、上部構造への入力地震動を低減する。メリット:居ながらの改修工事が可能(地下1階は除く)。デメリット:工事中の騒音・振動の影響がある。工事に支障のある一部施設が使用できなくなる。イ 内部補強工法概要:事務室等建物内部に耐力壁、筋交い(ブレース)等を設置し補強を行う。メリット:基礎免震工法に比べて工期が短い。デメリット:建物随所で補強を行うため工事中庁舎が使用できなくなり、移転が必要。工事完成後、執務室の有効面積が小さくなる。◯平成24年9月耐震改修工事の工法について、上記2案を比較検討した結果、工事中の執務上の支障を極力軽減でき、居ながらの改修が可能で移転経費等が抑えられるなど、効率性及び費用対効果が高い点や、耐震改修工事完了後の地震時に建物自体への影響が小さく、執務室内の被災が最小限で済むため、すぐに業務が可能となる点を勘案するとともに、中央省庁で多数の実績を有していた「基礎免震工法」が望ましいと考え、国土交通省あてに回答した。◆ 基礎免震工法概略図 ◆3耐震改修工事◯平成25年6月国土交通省は、財務省本庁舎耐震改修設計業務を発注。契約期間:平成25年9月~平成27年3月委託先:(株)佐藤総合計画◯平成27年9月国土交通省は、財務省本庁舎耐震改修工事を総合評価落札方式により発注。契約期間:平成27年度9月~令和元年10月受注者  建築工事:清水建設(株)     電気設備工事:日本電設工業(株)     機械設備工事:大成設備(株)工事スケジュールは業務への影響に配慮しつつ、庁舎を南北2工区に分割し、南工区は平成27年10月から平成29年12月まで、北工区は平成30年1月から令和元年10月までの期間に工事がなされた。34 ファイナンス 2020 Apr.SPOT

元のページ  ../index.html#38

このブックを見る