ファイナンス 2020年4月号 No.653
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令和2年1月、平成27年10月に着工した財務省本庁舎の耐震改修工事(外構整備を含む全ての工事)が終了しました。財務省本庁舎は、昭和18年の竣工以来、80年近くに渡り大切に使用されてきました。今般、耐震改修工事を終え、今後再び数十年に渡って、私達の大切な庁舎として使用してゆくにあたり、地震災害に対する備えが万全であること、また、その建物構造体に問題がないこと等を紹介し、皆様に安心して頂けるよう、庁舎の耐震診断以降の過程をご紹介いたします。1耐震性が基準以下◯平成18年3月国土交通省による庁舎の耐震診断で、財務省本庁舎は、各府省の防災拠点となる建物に分類される1類に必要な耐震性能評価値「1.5」以上を満たしていない「0.79」の診断を受け、隣接する「0.83」の診断を受けた中央合同庁舎第4号館とともに、震度6強から7程度の地震で倒壊または崩壊する危険性があると診断された。2建替えから耐震改修へ◯平成19年6月「国有財産の有効活用に関する検討・フォローアップ有識者会議」において取りまとめられた「国有財産の有効活用に関する報告書」において、東京23区内の庁舎の移転・再配置計画の一環として、財務省本庁舎は、中央官庁が備えるべき耐震性能を有していないこと及び財務省街区に残されている未利用容積率を有効活用することができることを理由に財務省本庁舎・中央合同庁舎第4号館を一体的に建て替えることとされた。◯平成22年11月厳しい経済財政事情等を踏まえ、財政当局である財務省本庁舎の建替えに対する国民の受け止め方にも十分留意する必要があるため、財務省・中央合同庁舎第財務省本庁舎耐震改修工事を終えて~耐震改修工事終了に至るまで~大臣官房参事官 兼大臣官房会計課長 木村 秀美◆ 財務省本庁舎免震層俯瞰図 ◆・本庁舎の免震層部分で切断した絵です。・持ち上がっている建物部分は全て免震装置の上に乗り、地震の影響を受けにくくなっています。・免震装置の種類:積層ゴム支承    …184基:転がりローラー支承 …261基:オイルダンパー   …24基 ファイナンス 2020 Apr.33SPOT

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