ファイナンス 2020年4月号 No.653
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ウイルス(COVID-19)の最近の流行を含む、グローバルなリスク監視を強化する。我々は、これらのリスクに対処するための更なる行動をとる用意がある。2.我々は、強固で持続性があり均衡のとれた包摂的な成長を実現するため、また、下方リスクから守るために全ての利用可能な政策手段を用いつつ、我々の潜在成長力を高めるために構造改革の実行を継続することに引き続きコミットする。債務残高対GDP比が持続可能な道筋にあることを確保しつつも、財政政策は、機動的に実施し、成長に配慮したものとすべきである。金融政策は、引き続き、中央銀行のマンデートと整合的に、経済活動を支え、物価の安定を確保するべきである。我々は、国際的な貿易及び投資が、成長、生産性、イノベーション、雇用創出及び開発のための重要なエンジンであることを改めて強調する。我々は、大阪サミットでの貿易及び投資に関する首脳の合意を再確認する。我々は、国際的な協力及び枠組みを強化するために、引き続き共同行動をとる。我々はまた、2018年3月に行った我々の為替相場のコミットメントを再確認する。我々は引き続き金融の脆弱性を監視し、必要に応じ引き続き対処する。我々はまた、強固で、クォータを基礎とし、かつ、十分な資金基盤を有するIMFを中心とした、より強固なグローバル金融セーフティ・ネットを確保するという我々のコミットメントを再確認する。2国際租税個別の議題の中で、今回のG20において最も注目を集めたのが国際租税である。経済のデジタル化に対応した国際的な法人課税ルールについて、2020年末の最終合意に向けて、G20/OECD「BEPS包摂的枠組み」を中心に議論が進められている。今年1月には、G20/OECD「BEPS包摂的枠組み」において、第1の柱(市場国への課税権配分)の統合的アプローチに係る「制度の大枠」について合意がなされ、第2の柱(国際的な最低税負担水準の設定)の進捗報告書が提出された。しかし、その一方で昨年末、米国は企業側が現行ルールと新ルールのどちらに従うかを選べるようにすべきだとした「セーフハーバー(選択制)」の提案をする等、国ごとの意見の隔たりは残っている。今回のG20では、こうした状況を踏まえ、まず、G20/OECD「BEPS包摂的枠組み」において合意された、第1の柱の統合的アプローチに係る制度の大枠を交渉の土台として承認するとともに、第2の柱の進捗報告書を歓迎した。その上で、両方の柱について残された相違点を乗り越えた更なる進捗を奨励し、2020年末までの最終報告書によるコンセンサスに基づく解決策に向けた我々のコミットメントを再確認した。さらに、年末の最終合意を前に、政治的合意の基礎をなすグローバルなコンセンサスに基づく解決策の主要事項について、G20/OECD「BEPS包摂的枠組み」が2020年7月までに合意することの重要性を強調した。(参考) 20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明 (仮訳)(抜粋)8.我々は、経済のデジタル化に伴う課税上の課題への対応に係る最近の進捗を歓迎する。我々は、G20/OECD「BEPS包摂的枠組み」において合意された、第1の柱の統合的アプローチに係る制度の大枠を交渉の土台として承認するとともに、第2の柱の進捗報告書を歓迎する。我々は、両方の柱について残された相違点を乗り越えた更なる進捗を奨励し、2020年末までの最終報告書によるコンセンサスに基づく解決策に向けた我々のコミットメントを再確認する。我々は、政治的合意の基礎をなすグローバルなコンセンサスに基づく解決策の主要事項について、G20/OECD「BEPS ファイナンス 2020 Apr.29G20財務大臣・中央銀行総裁会議の概要SPOT

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