ファイナンス 2020年4月号 No.653
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(2)従来の領域における能力の強化領域横断作戦の中で、宇宙・サイバー・電磁波の領域における能力と一体となって、航空機、艦艇、ミサイル等による攻撃に効果的に対処するため、海空領域における能力、スタンド・オフ防衛能力、総合ミサイル防空能力、機動・展開能力を強化する。ア 海空領域における能力強化○ 戦闘機の取得等・電子防護能力に優れたF-35A(3機:281億円)及びF-35B(6機:793億円)を取得し、航空優勢を確保し戦闘機運用の柔軟性を向上。・太平洋側の広大な空域を含む我が国周辺において、戦闘機部隊等が各種作戦を広域かつ持続的に遂行し得るよう、空中給油・輸送機(KC-46A)を一括調達(4機:1,052億円)(一括調達により、機体取得経費を約120億円低減)。・将来のネットワーク化した戦闘の中核となる役割を果たすことが可能な戦闘機について、国際協力を視野に、我が国主導の「次期戦闘機」の開発に着手(111億円)。○ 艦艇の建造等・多様な任務への対応能力の向上と船体のコンパクト化を両立した新型護衛艦(3,900トン)(2隻:944億円)や、探知能力等が向上した潜水艦(3,000トン)(1隻:702億円)を建造。・護衛艦「いずも」について、戦闘機F-35Bの発着艦を可能とする部分的な改修を実施(31億円)。○ 哨戒機の取得等・現有の固定翼哨戒機(P-3C)の除籍に伴い、その後継機として探知識別能力、飛行性能、情報処理能力等が向上したP-1を取得(3機:632億円)するほか、現有の海自哨戒ヘリコプター(SH-60J)の後継機として、対潜探知能力や攻撃能力が向上したSH-60K(7機)を、空自の救難ヘリコプター(UH-60J)(3機)と共同で調達(653億円)(共同調達により、機体取得経費を約68億円低減)。イ スタンド・オフ防衛能力の強化○ F-35Aに搭載するミサイルの取得・相手の脅威圏外(スタンド・オフ)から対処できるF-35Aに搭載可能なスタンド・オフ・ミサイル(JSM)を取得(136億円)。ウ 総合ミサイル防空能力の強化○ ミサイルの取得、発射装置の改修・取得等・弾道ミサイル防衛のためのミサイル(SM-3ブロックⅡA:301億円)、イージス・アショアの垂直発射装置(VLS)(6基:115億円)を取得。・PAC-3MSEミサイルを運用するため、ペトリオット・システムの能力向上改修を実施(90億円)。エ 機動・展開能力の強化○ 輸送アセットの取得等・重装備を含む部隊、大量物資等の空中機動、航空輸送等を実施し、迅速に部隊を展開できる輸送ヘリ(CH-47JA)を取得(3機:228億円)。・現有の輸送機(C-1)の減勢を踏まえ、航続距離や搭載重量等を向上し、大規模な展開に資する輸送機(C-2)用のエンジンを取得(6式:220億円)。(3)持続性・強靭性の強化平時から有事までのあらゆる段階において、部隊運用を継続的・実効的に実施するために必要な措置を推進する。ア 継続的な運用の確保○ 優先的に取得すべき弾薬の取得・航空優勢、海上優勢の確保に必要な対空ミサイル、魚雷を取得(198億円)。イ 装備品の維持整備に係る取組の推進○ 装備品の維持整備に必要な経費の確保・取得した装備品の高い可動率確保のため、装備品の修理、維持整備に必要な経費を確保(9,656億円)。(4)米軍再編、基地対策等の推進ア 米軍再編等関連軽費(1,937億円)米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄県をはじめとする地元の負担軽減を図るため、在日米軍の兵力態勢の見直し等についての具体的措置を着実に実施。24 ファイナンス 2020 Apr.特 集

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