ファイナンス 2020年4月号 No.653
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1. 2年度農林水産関係予算の基本的考え方農林水産物に対しては国内外に旺盛な消費者のニーズがある。例えば、人口減少下にある日本においても、今後、国内の一人当たりの食料支出は増加し、その結果、日本全体の食料支出総額は微減にとどまる見込みである。また、世界の飲食料の市場規模も人口・所得の増加を背景に、拡大することが見込まれている(資料1、資料2参照)。一方、主食である米の需要量に着目すると、人口構成の高齢化や食卓がより豊かになってきたことを背景に、年10万トン程度減少してきている(資料3参照)。そして、農林水産関係予算においては、主食用米の需要減少に対応するための予算が大きな位置を占めている*1。このような状況を背景に、「令和2年度予算の編成*1) 令和元年度予算において、水田活用の直接支払交付金3,215億円、備蓄米買入費(所要額)522億円、備蓄米管理費(所要額)275億円など。令和2年度 農林水産関係予算について主計局主計官 中澤 正彦資料1 国内の食料支出総額、1人当たり支出の推計(出所)農林水産政策研究所「我が国の食料消費の将来推計年版」(令和元年月)資料1国内の食料支出総額、1人当たり支出の推計年(出所)農林水産政策研究所「我が国の食料消費の将来推計(2019年版)」(令和元年8月)資料3 主食用米の需要量の推移(出所)農林水産省「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」944 913 907 886 912 872 895 862 865 852 838 855 824 814 820 813 781 787 783 766 7547407357257758258759259758年産9年産10年産11年産12年産13年産14年産15年産16年産17年産18年産19年産20年産21年産22年産23年産24年産25年産26年産27年産28年産29年産30年産需要量線形(需要量)(万トン)資料3主食用米の需要量の推移(出所)農林水産省「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」資料2 世界の飲食料市場規模資料2世界の飲食料市場規模(出所)農林水産政策研究所「世界の飲食料市場規模の推計」(出所)農林水産政策研究所「世界の飲食料市場規模の推計」12 ファイナンス 2020 Apr.特 集

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