ファイナンス 2020年4月号 No.653
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ファイナンス 2020 Apr.11令和2年度予算特集:3令和2年度社会保障関係予算のポイント 令和2年度における「新しい経済政策パッケージ」(概要)新しい経済政策パッケージについて(平成29年12月8日閣議決定)(抜粋)社会保障の充実と財政健全化のバランスを取りつつ、安定財源として、2019年10月に予定される消費税率10%への引上げによる財源を活用する。消費税率の2%の引上げにより5兆円強の税収となるが、この増収分を教育負担の軽減・子育て層支援・介護人材の確保等と、財政再建とに、それぞれ概ね半分ずつ充当する。前者について、新たに生まれる1.7兆円程度を、本経済政策パッケージの幼児教育の無償化、「子育て安心プラン」の前倒しによる待機児童の解消、保育士の処遇改善、高等教育の無償化、介護人材の処遇改善に充てる。これらの政策は、2019年10月に予定されている消費税率10%への引上げを前提として、実行することとする。(単位:億円)事項事業内容令和2年度予算案(参考)令和元年度予算額国分地方分待機児童の解消・「子育て安心プラン」を前倒しし、2020年度末までに32万人分の受け皿を整備。(注2)・保育士の確保や他産業との賃金格差を踏まえた処遇改善に更に取り組む(2019年4月から更に1%(月3000円相当)の賃金引上げ)。722358364536幼児教育・保育の無償化・3歳から5歳までの全ての子供たち及び0歳~2歳までの住民税非課税世帯の子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園等の費用を2019年10月から無償化。(注3)8,8583,4105,448(注4)3,882高等教育の無償化・少子化に対処するため、低所得世帯であっても社会で自立し活躍できる人材を育成する大学等において修学できるよう、高等教育の修学支援(授業料等減免・給付型奨学金)を着実に実施(2020年4月実施)。(注5)5,2744,882392―介護人材の処遇改善・リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準を目指し、経験・技能のある介護職員に重点化を図りつつ、介護職員の更なる処遇改善を実施。この趣旨を損なわない程度で、介護職以外の職員の処遇改善も実施(2019年10月実施)。(注6)1,003506496421合計15,8579,1566,7014,839(注1)金額は公費(国及び地方の合計額)。計数は、四捨五入の関係により、端数において合計と合致しないものがある。(注2)「子育て安心プラン」の実現に必要な企業主導型保育事業(幼児教育・保育の無償化の実施後は、3歳から5歳までの子供たち及び0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子供たちの企業主導型保育事業の利用者負担を助成する事業を含む。)と保育所等の運営費(0歳から2歳までの子供に相当する部分)には、別途、事業主が拠出する子ども・子育て拠出金を充てる。(注3)就学前の障害児の発達支援についても、併せて無償化を行う。(注4)幼児教育・保育の無償化に係る令和元年度の地方負担分は全額特例交付金により補填。(注5)「高等教育の修学支援」については全額内閣府に計上。(注6)障害福祉人材について、介護人材と同様の処遇改善を行う観点から対応を行う。(注7)「待機児童の解消」及び「幼児教育・保育の無償化」の国分、幼児教育・保育の無償化に係る自治体の事務費・システム改修費については全額内閣府に計上。令和2年度の消費税増収分の使途について○基礎年金国庫負担割合2分の1(平成・年度の基礎年金国庫負担割合2分の1の差額に係る費用を含む)○社会保障の充実・幼児教育・保育の無償化・高等教育の無償化・子ども子育て支援新制度の実施・医療・介護サービスの提供体制改革・医療・介護保険制度の改革・難病・小児慢性特定疾病への対応・年金生活者支援給付金の支給等○消費税率引上げに伴う社会保障4経費の増・診療報酬、介護報酬、年金、子育て支援等についての物価上昇に伴う増○後代への負担のつけ回しの軽減・高齢化等に伴う自然増を含む安定財源が確保できていない既存の社会保障費〈令和2年度消費税増収分の内訳〉(公費ベース)(注1)増収額は、軽減税率制度による減収影響を除いている。(注2)使途に関しては、総合合算制度の見送りによる億円を軽減税率制度の財源としている。令和2年度の消費税増収分の使途について兆円兆円兆円《増収額計:兆円》兆円特 集

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