ファイナンス 2020年3月号 Vol.55 No.12
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各地の話題写真2 隼Lab.で開催された経営セミナーの様子代表の古田さんは、「隼Lab.」の将来について、「まちにチャレンジを生み出し、イノベーションを起こす。この町に育つ子どもたちの未来の選択肢を広げる。日本の未来のモデルになる田舎をつくりたい。」と熱く語っています。まだまだスタートしたばかりの「隼Lab.」ですが、若者たちが、力強く、たくましく地域に根を張っていく、そんな出る杭を伸ばす八頭町であり続けることが求められています。3廃校が里山リゾートホテルに変身写真3 令和元年7月にオープンした「オオエバレーステイ」平成29年3月に閉校となった旧大江小学校を改修し、里山リゾートホテル「オオエバレーステイ」が令和元年7月に誕生しました。3階建て校舎の1階は、エントランスと、囲炉裏を使って鳥取県産の食材を使った料理が楽しめるレストラン。2階・3階は客室となっており、多様な宿泊客に対応できるよう、ドミトリータイプの相部屋から豪華なジュニアスイートまで22種類の部屋を備え、最大130人が宿泊できるホテルとなっています。年間3万人の宿泊客を見込んでおり、星空観察、農作業体験など、田舎ならではの体験プログラムも多数準備されています。この「オオエバレーステイ」は、パンケーキなどで有名な大江ノ郷自然牧場(代表 小原 利一郎さん)が国や県の助成を受け、5億円余りをかけてリノベーションを行い、経営しているものです。代表の小原さんは「自然豊かな田舎での宿泊や農業体験、鳥取県内の食材を使った食事など、鳥取県の魅力が詰まった施設です。鳥取県の観光拠点として、地域経済が発展するよう頑張っていきたい。」と語っています。近年では訪日外国人も増加していることから、「オオエバレーステイ」には、インバウンドを呼び込む拠点施設としても大きな期待が寄せられています。4おわりに当町の地域活性化は、行政と連携しながらも民間企業が中心となって牽引しているのが特徴です。今後も八頭町は、起業家の創出や事業承継などを積極的に推進し、若者が根を張り活躍できる取組みを進めていきます。「出る杭を伸ばす」地方創生を応援します!地方創生コンシェルジュ中国財務局鳥取財務事務所長 田村 文孝生まれ育った地元を楽しく元気にしたいという若者や経営者と政策を担う行政、地域活性化に取り組むベテランの方々が調和・連携する。そこへ地元の金融機関や企業等が支援を行う。八頭町には名産の花御所柿や梨などの果物も豊かに実るだけでなく、出る杭も育てる風土・環境があります。かつて、子供達の声が響いていた校舎に様々な世代の人が集い、何かが動き出したり、楽しいひと時を過ごしたり…という形の地域活性化モデルとして、今後の展開にも目が離せません。財務事務所として、組織のリソースを活用しながら、引き続き地方創生の取組みに役立ちたいと思います。 ファイナンス 2020 Mar.75連載各地の話題

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