ファイナンス 2020年3月号 Vol.55 No.12
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1八頭町の概要八頭町は鳥取県の南東部に位置し、平成17年3月に3町が合併して誕生しました。当町へのアクセスは、羽田空港から八頭町までは2時間半、京阪神からも最速で2時間半で到着することができ、比較的交通アクセスに恵まれていることから企業誘致が進んでいる町でもあります。一方で、合併当初は約2万人あった人口も、平成27年の国勢調査では、16,985人となり少子・高齢化も進んでいます。この影響で閉校せざるを得なかった小学校もありますが、町の貴重な資産を活用して、地域の課題解決に繋げるため、地元企業と連携して実施している2つの取組みをご紹介します。2イノベーションバレーの創出 (隼Lab.(ラボ))八頭町では、平成27年9月に地方創生総合戦略を策定し、重点取組事項に「八頭イノベーションバレーの創設」を掲げています。これは、廃校となった校舎を活用し、IT企業などを誘致して、新たな雇用の創出や革新的な起業家(イノベーター)が活躍できる施設として整備するというものです。それが、平成29年4月に閉校となった旧隼小学校をリノベーションし、同年12月に公民連携複合施設として生まれ変わった「隼Lab.」です。写真1 平成29年12月にオープンした「隼Lab.」鉄筋コンクリート造3階建、延床面積2,100m2の1階には、地域の高齢者や子育てママが集うコミュニティスペースやカフェが入居し、連日家族連れや若者達で賑わっています。2階・3階はオフィススペースやコワーキングスペースで、入居事業所は16事業所と満室の状態です。イベント・セミナーなどの実施回数は140回以上に及び、県内外からの視察数も50回を超えるなど、全国からも注目を浴びる施設となっています。施設整備は、八頭町が地方創生拠点整備交付金等を活用して、約1億8千万円かけてリノベーションし、管理運営は新たに設立された「(株)シーセブンハヤブサ」が行っています。この会社は、地域金融機関や県内外企業の7社が出資して設立されたもので、代表を任されているのが東京からUターンし、レストランやゲストハウスを経営する32歳の古田琢也さんです。若者が活躍し出る杭を伸ばす八や頭ず町八頭町企画課長川西 美恵子八頭町74 ファイナンス 2020 Mar.連載各地の話題

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