ファイナンス 2020年3月号 Vol.55 No.12
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各地の話題今後は、「道の駅かくだ」において生まれた「賑わい」を一時的かつ局所的なもので終わらせず、市内各所にその賑わいを循環させ、市内への滞在時間の長期化を図り、地域経済の活性化に繋げる必要があります。角田市内には、道の駅以外にも個性豊かな地域資源が存在しており、それぞれにおいて「賑わい」を創出する魅力を持っています。しかしながら、それらは市内の各地域に点在しており、局所的な「賑わい」で完結していたため、現状を打破するために、令和元年度からの新たな地方創生の取り組みとして、市内の「賑わい」を循環させる仕組みづくりに着手することとしています。「道の駅かくだ」を発着点としたグリーンツーリズム、スポーツツーリズム及び「角田の5つの“め”」を象徴する地域資源等を繋ぐ観光地周遊ツアー等を含む体験型観光事業を展開することにより、点在していた「賑わい」を市内全体に「循環」させ、それぞれの魅力を高め合い、角田市の魅力向上を目指していきます。「道の駅かくだ」と隣接する「かくだスポーツビレッジ」5次期長期総合計画の策定に向けて角田市第5次長期総合計画においては、「角田の5つの“め”」の定着が図られ、それらを有機的に連結させるための取組を強化してきました。本市では、現在、次期長期総合計画の策定に着手しており、第5次長期総合計画における施策等をより一層ブラッシュアップするためには、策定の過程における議論を充実させる必要があります。その取組の一環として、東北財務局が主催する『地方財政教育プログラム』との連携により、中学校でのワークショップを実施しました。中学生が自ら「未来の市長」として、市の財政をシミュレーションするプログラムに挑戦することにより、未来の角田市に何が必要かをクラス全体で話し合い、それぞれの意見を『未来の市長からの提言』として発表していただきました。この提言は、角田市長期総合計画審議会において取り上げられ、次期長期総合計画の策定に大いに活用することとなります。次期長期総合計画の策定作業は今後も継続しますが、『未来の市長からの提言』をはじめ、広く意見を集約することで、1つ1つの貴重な声を将来へ向けた指針として繋ぎ合わせ、角田市の未来をしっかりと見据えていきたいと思います。東北財務局主催「地方財政教育プログラム」の様子災害に負けず、地域に賑わいを!地方創生コンシェルジュ東北財務局総務課長 青木 均角田市は昨年の台風により甚大な被害を受けましたが、地域に賑わいを取り戻すため、市で一丸となって取組んでいます。東北財務局では角田市との地域活性化に関する包括連携協定を締結しており、中学生を対象とした「地方財政教育プログラム」はその一環の取組みです。中学生の意見を取り入れたこれからの地域づくりに期待しています。 ファイナンス 2020 Mar.71連載各地の話題

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