ファイナンス 2020年3月号 Vol.55 No.12
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1.概要(1)一般会計の2年度の文教及び科学振興費(「臨時・特別の措置」除き)は、5兆3,912億円(元年度当初予算比+229億円、+0.4%)を計上している。このうち、文教関係費は4兆346億円、科学技術振興費は1兆3,565億円である。また、一般会計の文部科学省所管予算(「臨時・特別の措置」除き)は、一般会計で、5兆3,060億円(元年度当初予算比▲2億円、▲0.0%)を計上している。このうち、文教関係費は4兆303億円、科学技術振興費は8,804億円、その他が3,953億円である。なお、「臨時・特別の措置」は、文教及び科学振興費で1,143億円、うち文部科学省所管予算で1,092億円を計上している。(2)2年度の文教及び科学技術予算の編成に当たっては、・ 文教・科学技術分野における課題は、予算の「量」の多寡ではなく「質」の向上であるという観点から、人的・物的リソースの有効活用や自律的なメカニズムの創出を推進すること、・ 政府として方針の定められた教育の経済的負担軽減を着実に実施することに重点をおいた。その主なポイントは以下の通りである。○予算の質の向上、重点化・ 義務教育費国庫負担金⇒加配要件の見直し専科教員の配置にあたっては、学校における働き方改革を推進する観点から、教職員の在校等時間を客観的な手段で把握することを新たな要件とした。・ 科学技術分野⇒予算の重点化光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)やスーパーコンピュータ「富岳」の開発等、Society5.0実現に向けた重点分野に戦略的に配分。○教育の経済的負担軽減・ 元年10月から開始した「幼児教育の無償化」の着実な実施(社会保障関係費として予算措置)・ 2年度からの「私立高校授業料の実質無償化」の実施・ 2年度からの「高等教育の無償化(高等教育の修学支援新制度」の実施(社会保障関係費として予算措置)2.文教関係予算2-1.高等教育(大学等)2-1-1.国立大学法人運営費交付金等○国立大学法人運営費交付金等(1兆971億円⇒1兆807億円(▲1.5%))国立大学法人運営費交付金について、元年度において共通の成果指標に基づく相対評価を導入した(配分基礎額700億円、再配分率±10%)。2年度においては、「経済財政運営と改革の基本方針2019」(元年6月21日閣議決定)等を踏まえ、頑張る大学の取組を後押しするため、共通の成果指標に基づく相対評価の配分基礎額を850億円に、再配分率を±15%に拡大することとした。このほか、重点支援評価に基づく再配分として250億円(元年度300億円)を計上。令和2年度 文教及び科学振興費について主計局主計官 関口 祐司22 ファイナンス 2020 Mar.特 集

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