ファイナンス 2020年3月号 Vol.55 No.12
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文中、〔 〕書きの金額は、令和元年度当初予算比の増減を表す。○ 経済産業省予算1 概観経済産業省の令和2年度一般会計予算は、1兆2,435億円と対前年度当初予算で▲407億円となっている。これは、中小小売店等におけるキャッシュレス決済時のポイント還元や防災・減災、国土強靱化等のために計上した臨時・特別の措置が、対前年度当初予算で▲411億円となったことによるものである。この臨時・特別の措置を除くと、科学技術振興費の増加により、対前年度当初予算で+4億円の9,341億円となっている。経済産業省の令和2年度一般会計予算では、Society5.0の実現に向けた人工知能等の研究開発や、イノベーション・エコシステムの構築のためのスタートアップ支援、安全保障と一体となった経済強靱化のためのサイバーセキュリティ対策に重点的な予算措置を行っている。また、中小企業の生産性の向上を促進するための設備投資や事業承継に対する支援といった現下の中小企業を取り巻く経営課題に対応するために必要な予算を計上している。さらに、2025年の大阪・関西万博に係る経費等も計上している。エネルギー関連では、予算の重点化・効率化を進め、クリーンエネルギー自動車等に活用される革新的燃料電池・蓄電池技術の研究開発を推進するとともに、二酸化炭素を分離・回収・利用するカーボンリサイクル技術のイノベーションの加速等を推進するほか、臨時・特別の措置として引き続き電力インフラの強靱化等を行うこととしている。東日本大震災復興特別会計においては、福島イノベーション・コースト構想の実現等に必要な予算を計上し、引き続き復興支援を推進することとしている。2 科学技術関係人工知能等の研究開発やスタートアップ支援、サイバーセキュリティ対策に対して重点的な予算措置を行っており、科学技術関係予算で6,889億円〔+103億円〕、一般会計の科学技術振興費で1,133億円〔+2億円〕(臨時・特別の措置を除くと1,133億円〔+令和2年度 司法・警察、経済産業、環境予算について主計局主計官 渡邉 和紀【経産】計数表(単位:億円)項目元年度当初(1)2年度予算(3)うち通常分 (2)うち通常分 (4)うち臨時・ 特別の措置対元年度当初 (3)-(1)うち通常分 (4)-(2)経産省 一般会計12,8429,33712,4359,3413,093▲407▲3.2%40.0%エネ特繰入以外6,4803,5506,3593,5892,769▲121▲1.9%401.1%科学技術振興費1,1311,0791,1331,133-20.2%545.0%中小企業対策費1,1671,1171,1411,11130▲26▲2.3%▲6▲0.6%その他4,1821,3544,0851,3452,739▲97▲2.3%▲9▲0.6%エネ特繰入6,3615,7876,0765,752324▲286▲4.5%▲35▲0.6%エネ需勘定繰入4,7804,2064,5064,182324▲274▲5.7%▲24▲0.6%電促勘定繰入1,5821,5821,5701,570-▲12▲0.7%▲12▲0.7%復興特会(経産省関連)416273▲143▲34.5%10 ファイナンス 2020 Mar.特 集

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