ファイナンス 2020年2月号 Vol.55 No.11
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各地の話題〔空の公園〕天気が良い日にはとても見晴らしが良く、高台から日本三大リアス式海岸と呼ばれている関アジ・関サバの一本釣りが盛んな「大分県豊後水道」をはじめ、遠くは四国の山々までを一望できる絶景スポットです。 管内のグルメ〔ごまだしうどん〕黒潮の影響を受けて多くの魚が集まる豊後水道に面した佐伯市は、城下町として栄えた江戸時代から「佐伯の殿様 浦でもつ」と呼ばれるほど、海の幸に恵まれています。「ごまだし」は、観光客向けに売り出された食材ではなく、元々佐伯の漁師の家庭で、冷蔵庫もない時代にエソが豊漁で食べきれないとき、保存食として編み出されたものです。このエソは、小魚が多いものの、身に豊潤な旨味を含んでいて、最高級の練り物製品の材料として重宝されており、胡麻や醤油を加えながらすり潰して作られるのが「ごまだし」と呼ばれる調味料です。その「ごまだし」を茹でたうどんの上に載せて熱いお湯を注いだ料理が「ごまだしうどん」で、佐伯市を代表する郷土料理となっています。近年は食の多様化や保存技術の進展によって、家庭で「ごまだし」が作られることも少なくなりましたが、2007年には農林水産省が実施した「農山漁村の郷土料理百選」で「ごまだしうどん」が選ばれたことにより、ご当地グルメとして再び脚光を浴びています。〔佐伯寿司〕瀬戸内海の海水と太平洋から流れてくる海水のぶつかる豊後水道は、プランクトンが豊富なため、餌を求めて多くの魚が集まります。豊後水道で水揚げされる魚介類は、タイ・ヒラメ・サザエなどの高級なものから、アジ・イワシなどの庶民的な魚まで様々で、その種類の多さは日本一と言われており、寿司ネタのほとんどを地元で仕入れることができるため、新鮮な魚で寿司を握ることができます。この鮮度抜群な魚と職人の技を集結して美味しい「佐伯寿司」が生み出されており、県内外から多くの方が「佐伯寿司」を目当てに訪れています。 おわりに佐伯市は、春夏秋冬、1年を通じて豊かな自然に恵まれ、山や川、海に囲まれた温暖な土地柄は、人々を暖かく包むとともに、穏やかに時間が流れているような情緒を感じることができます。多数の観光・グルメスポットが点在する魅力的な場所となっておりますので、是非一度お越しください。お待ちしております! ファイナンス 2020 Feb.85連載各地の話題

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