ファイナンス 2020年2月号 Vol.55 No.11
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8. さいごに  ―メルカリのカルチャー最後にメルカリのカルチャーについて簡単にお話しします。通常、企業の福利厚生は、基本的には全社員に平等な福利厚生です。しかし、メルカリの福利厚生の考え方は、普通の会社の考え方と真逆です。メルカリは、ダウンサイドについては会社が徹底的にケアをします。何かあったら会社が面倒を見るので、徹底的に働いてほしいのです。産休や育休中、介護休暇中の給料を会社が保証しています。また、全社員の死亡保険にも会社が入っています。一方、アップサイドは全くありません。アップサイドはむしろ実力主義であり、年功序列でも当然ないのです。また、家賃補助の類もありません。家族のケアを会社がやらなければ、今の若い人は応募しません。こうしたことをやることで、私たちは採用の競争力をきっちりと持ちたいと思っています。私からは以上になります。ご清聴ありがとうございました。講師略歴小泉 文明(こいずみ ふみあき)株式会社メルカリ取締役会長早稲田大学商学部卒業後、2003年大和証券SMBC(現・大和証券)入社。投資銀行本部にてインターネット企業の株式上場を担当した後、2007年ミクシィ入社。取締役執行役員CFOに就任しコーポレート全体を統括。ミクシィ退任後、ベンチャー企業を数社支援し、2013年12月メルカリ入社。2014年同社取締役、2017年取締役社長兼COOを経て、2019年9月、取締役会長に就任。このほか、2019年8月、J1プロサッカーチームの鹿島アントラーズを運営する株式会社鹿島アントラーズFC代表取締役社長に就任し、様々な改革を実践中。 ファイナンス 2020 Feb.69職員トップセミナー 連載セミナー

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