ファイナンス 2020年1月号 Vol.55 No.10
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各地の話題1はじめに岩国税関支署は、山口県東部に位置し、1947年9月に徳山税関支署から移管設置され、山口県のうち岩国市、柳井市、玖珂郡、大島郡の2市2郡を管轄しています。同管内にある岩国港は、徳川幕府の時代から近代にかけて、製紙、紡績、繊維などの工場が立地する工業都市として、また、戦後、陸軍燃料廠を母体として我が国最初の石油コンビナートを形成し、石油精製、石油化学工業等、山口県境と接する広島県大竹市とともに瀬戸内海工業地帯の一翼を担い、活発な輸出入貿易が行われています。また、柳井港では、エネルギー燃料としてLNG(液化天然ガス)を輸入しており、当署管内輸入貿易額ベース(平成30年実績)で見ると、5割を超える状況となっています。今回は、当署が所在する山口県岩国市にスポットをあて、岩国三昧てんこ盛りでご紹介します。2基地の所在するまち関ヶ原合戦(1600年)後、出雲国富田12万石から岩国3万石に移封された吉川藩は、窮乏した藩財政を立て直すため、歴代の藩主が干拓事業に努め、錦川河口流域に約15平方キロメートルに及ぶ干拓地を作り上げました。明治以降は、同市臨海部に各種の工場が建設され、重厚長大型の産業都市として発展するとともに、同臨海部中央部あたりに、旧大日本帝国海軍は、1938年、岩国飛行場の建設に着手し、翌年の呉鎮守府所属練習隊の配置以来、主として海軍の教育隊、練習隊の基地として使用されてきました。戦後は、米海兵隊岩国航空基地(MCAS IWAKUNI)が置かれ、また、海上自衛隊も1957年以来、一部共同使用しており、基地の所在するまちとして、現在に至っています。岩国市では現在、米軍関係者や自衛隊、民間主体による様々な企画が催されるなど、本市の良き隣人として、日米親善を深める取り組みが積極的に行われています。なお、2012年には米軍との共同使用による岩国錦帯橋空港が開港し、2018年には50万人を超える利用者があるなど、観光振興などの地域活性化に貢献しています。3観光資源岩国錦帯橋空港などを利用し、岩国で多くの観光客が訪れるスポットを2つほどご紹介します。ええじゃ~岩国門司税関岩国税関支署 統括監視官溝川 浩樹岩国 ファイナンス 2020 Jan.78連載各地の話題

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