ファイナンス 2020年1月号 Vol.55 No.10
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各地区の公民館や自治振興センター(市役所の支所)には職員が常駐、地域の皆さんと一緒にまちづくりの活動をしています。中でも特筆すべきは20地区それぞれが策定する「地区基本構想」です。現在、政府では全国1,471自治体に将来の「人口ビジョン」と「地方版総合戦略」(地方創生を進める方針)の策定を促進していますが、飯田市では、市の計画は勿論存在しつつ、市内20地区が、地区ごとの人口分析も行いながら、自分たちの住む地区を今後どのようにしていきたいか、について住民主体で作成した戦略が存在する地方創生のモデルのような市です。また広域連携として、飯田市ほか13町村で「南信州広域連合」を形成し、近隣市町村間で連携を強めるほか、隣接県である三河(愛知県)、遠州(静岡県)と南信州で「三遠南信」連携も図っています。2.飯田市の産業史飯田市は、古くは農業中心の地場産業(水引、味噌、木工、生糸、製糸)が盛んで、特に昭和初期は蚕糸産業で繁栄しました。しかし、1929年のニューヨーク株式市場の暴落や化学繊維・レーヨンの登場等によ車道下の歩廊「そらさんぽ天龍峡」三遠南信自動車道「天龍峡大橋」 ファイナンス 2020 Jan.30地方創生の現場から【第8回】

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