ファイナンス 2020年1月号 Vol.55 No.10
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1はじめに税関をとりまく状況を見てみると、平成の30年間で、貿易額は2.5倍、輸出入許可件数は5倍、訪日外国人旅客数は11倍となっています。このように日本と海外との結びつきが強まる中、覚醒剤や知的財産侵害物品などの社会悪物品や、金地金の密輸リスクがますます増大しています。また、本年1月1日には日米貿易協定が発効に至り、さらに本年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会といった大規模な国際イベントの開催が迫っているところ、円滑な通関とテロ対策の強化が求められ、貿易の第一線にある税関の役割は一層重要になっています。このような状況を踏まえ、昨年11月22日、遠山財務副大臣は、横浜税関を視察し、その後、税関職員等功績者大臣表彰式に出席し、密輸の摘発や事案の解明に貢献した全国の税関職員を表彰するとともに、訓示を行いました。2横浜税関視察の模様(1)旧税関長室について遠山副大臣は、到着後まず、昭和9年の横浜税関本関庁舎の竣工時の姿に復元された旧税関長室にて、横浜税関にまつわる歴史やエピソードについて説明を受けました。太平洋戦争終結時、横浜税関に連合軍総司令部が置かれ、その際この部屋でマッカーサー元帥が執務したと言われていること、室内に置かれる元税関長の大礼服や初代から続く歴代税関長の写真などの説明に興味深く耳を傾けました。(2)税関が摘発した物件について次に遠山副大臣は、税関が摘発した犯則物件(覚醒剤及び隠匿具)の実物を見ながら、密輸の隠匿手法について説明を受けました。その中でも特に、覚醒剤の隠匿状況や、発見に至った端緒に関する説明に熱心に耳を傾けました。(3)横浜港概要について最後に7階展望ロビーから横浜港を一望しました。開港当時から今に至るまでの横浜港の発展・歴史につ遠山財務副大臣の横浜税関視察・ 大臣表彰式出席について横浜税関総務部税関広報広聴室長 髙澤 輝夫儀仗隊の出迎え旧税関長室の説明21 ファイナンス 2020 Jan.SPOT

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