2019年12月号 Vol.55 No.9
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財務局は、財務省の総合出先機関であり、現在、全国10か所に9財務局(北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州)及び1財務支局(福岡)が設置されている。また、財務局及び財務支局にはその所掌事務を分掌させるための出先機関として、全国主要の地(財務局及び財務支局所在地を除く都府県庁所在地並びに北海道の主要の地)に40の財務事務所が、更に、主として国有財産関係の事務を一部分担させるため、全国に13の出張所が設置されている。(1)財務局の成り立ち財務局の歴史は明治時代に遡る。現在、財務局が担っている地方における財務行政の一部は、明治29年に大蔵省の地方出先機関として設置された税務管理局(35年に税務監督局となる)と、その下部組織である税務署が行っていた。税務監督局・税務署の業務は、内国税に関する事務であったが、大正11年の国有財産法施行にともない、雑種財産の管理処分が税務監督局と税務署へ委任され、これが大蔵省の地方支分部局における国有財産行政の第一歩となった。昭和に入り、財政投融資の前身である預金部の業務が税務監督局・税務署に加わり、これにより、低利資金を市町村に提供するため、預金部資金の市町村への直接貸付が実施されることとなった。やがて戦時下において金融統制が進む中、昭和15年に会社経理統制令が定められ、役職員の給与が大蔵大臣の許認可を要することになり、税務署がこの事務の執行機関となった。その後、昭和16年に税務監督局が廃止(税務署は維持)され、大蔵省の総合出先機関として財務局財務局を取り巻く歴史大蔵省の総合出先機関として発足財務局状況北海道明治34年建築の建物東北明治44年建築の建物関東近衛歩兵第1連隊兵舎跡北陸昭和24年6月旧軍財産の 偕行社敷地に建築した建物東海昭和24年5月旧軍財産を 移築した建物近畿大阪陸軍造兵廠跡中国陸軍兵器補給廠倉庫跡四国高松連隊区指令部跡北九州昭和24年1月旧軍財産を 移築した建物南九州昭和23年8月第6師団 司令部を移築した建物財務局発足当初の庁舎の状況現在の財務局・財務支局の管轄区域一覧財務(支)局所在地管轄区域北海道財務局札幌市北海道東北財務局仙台市青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県関東財務局さいたま市茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県北陸財務局金沢市富山県、石川県、福井県東海財務局名古屋市岐阜県、静岡県、愛知県、三重県近畿財務局大阪市滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県中国財務局広島市鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県四国財務局高松市徳島県、香川県、愛媛県、高知県九州財務局熊本市熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県福岡財務支局福岡市福岡県、佐賀県、長崎県(注)沖縄については、沖縄総合事務局の内部部局に財務部を置き、財務局と同様の業務を行っている。4 ファイナンス 2019 Dec.

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