2019年12月号 Vol.55 No.9
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同じく毎月開催した知事以下全部局長からなる「行財政改革推進会議」と2週間おきに開催し、その都度記者説明を行うことにより、議論の県庁内のフィードバックはもちろん、マスコミを通じた県民の議論喚起に資することになったのではと思います。国と異なり、新潟県庁では公表案件や会議の内容についてマスコミ説明を行う文化がそれほどなく、また、記者が県庁に常駐していない報道機関が多いのが実態です。公の場で自治体の政策が論じられることも多くはありません。県民が事実に基づくわかりやすい政策情報に接する文化を醸成するため、日程をあらかじめ明示し、会議と記者説明をセットにした形で半年間取り組むこととしました。会議では、不都合な真実も含め、ファクトを数多く示し、議論の素材としました。人口減少の時代、去年と同じことをするだけでは豊かな社会にならない現実のなか、県民一人ひとりが政策に関心を示さないと、やがては自分や子供達の身に降りかかってくることを改めて実感してほしいとの思いからです。例えば、他道府県の公債費の適正管理に関する取組や、県病院局が運営する県立病院の入院患者は将来増加見込との予測と異なり実績は減少していること等医療需要の見込が下ブレしていること(資料3参照)、私学助成の生徒一人当たり単価の順位(全日制高校14位、通信制高校6位、中学校21位、幼稚園4位、専修学校13位)、商工団体補助の状況(補助金総額・補助対象職員数3位、商工団体数全国2位、補助対象職員1人当たり人件費全国24位、小規模事業者1社あたりの補助金額4位)を示しています。ホームページでも公開しています。ちなみに、財政の健全度合いを示す法律上の指標を見ると、実質公債費比率は44位、将来負担比率は45位です。有識者会議からのメッセージ8月に取りまとめられた有識者会議の意見書、特に冒頭の総論には、味わい深いメッセージが込められて資料3:入院患者数の推移25,123 26,544 27,444 27,862 28,068 24,528 25,357 25,730 26,006 24,913 23,028 15,00017,00019,00021,00023,00025,00027,00029,00020102015202020252030【全県】1日平均将来入院患者(過去推計と実績との差)推計値調査実績に基づく推計値推計値調査実績新潟県病院局の病院事業を取り巻く現状分析(入院患者の推計値と実績との差)〇実績~年実績及びそれに基づく予測値(累乗近似)※実績:福祉保健年報〇推計値、受療率(5歳区分、疾病毎)×将来推計人口(5歳区分、5年毎())年()年()年()年()年()保健医療需要調査に基づく推計値保健医療需要調査に基づく推計値―実績C年()年()年()年()年()乖離率(実績推計)乖離率(実績推計)C―推計値保健医療需要調査推計値保健医療需要調査実績実績に基づく推計値21,61021,86922,218(単位:人)58 ファイナンス 2019 Dec.連載ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?

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