2019年12月号 Vol.55 No.9
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丸亀製麺を展開しているトリドール、掃除のプロフェッショナルであるダスキン、自動販売機以外のところでお茶の効用を訴えたい伊藤園、LED照明事業や人工芝などのスポーツ事業を積極的に展開するアイリスオーヤマなどといった各スポンサーをどうやって組み合わせていくかということが切り口となります。どこの地域にどんなニーズがあるとか、こういうキーマンがいるとか、そういうところの間に入る商社の役割を私たちが行えば、そうした会社から私たちはスポンサー料をいただける。人を雇わずに済むのですから、スポンサーからしても安いものです。私たちが本業の仕事をやっていく中で出来てくる人間関係や得られる情報、こういったものがそのまま価値になるわけです。そこを上手い具合にやり取りしながら、お互いのコアな部分でそれぞれが利益を上げましょう、そして、そうやってシェアをすることによって、さらに関係性が生まれていく。これはまさにWIN-WINルールのようなもので、そうなったら、私たちだけが苦しい思いをしなくても済むのです。スポンサー同士を結び付ければいいのです。具体的には、「各スポンサーのコアビジネスの営業協力をしますよ。」ということです。これが「ローカル商社」ということなのです。例えば、トリドールに「ダスキンを全店舗で入れましょうよ。」と提案して、ダスキンには「トリドールさんのところで、まだ入っていないところにも入ってくださいよ。」と提案することもできます、なぜならこれがスポーツの誘因力なのです。同じスポーツチームを応援している者同士、あるいは私がこうして打ち立てている方針に共感していただいている皆さん同士ですから、とても親和性が高いのです。アイランドリーグという接点がなかったら結び付き得なかったスポンサー同士が結び付くのです。四国アイランドリーグplusには、リーグ全体の共通スポンサーと個々の球団のスポンサーがあります。役割が全然違います。個々の球団のスポンサーには、100社から200社、地元のあらゆる分野の企業になっていただいています。15年間かけてこれだけのコネクションを作り上げてきました。これを組み合わせると無限大の組み合わせになります。私たちは間に入って結び付けるのです。これは本当に面白いところです。7.様々なパートナーシップの具体例パートナーシップの具体例をいくつかご紹介します。(1)サプライヤー関係四国アイランドリーグplusは、世界的スポーツブランドの「アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)」とパートナー契約を締結して、2017年からアンダーアーマー製ユニフォームや公式球などの物品の提供を受けています。(2)インバウンド関係インバウンドの関係でJTBにもスポンサーになっていただいています。中国人富裕層の野球少年たちを四国に招いて、四国の野球場で、私どもの監督やコーチを送り込んで、一緒に野球をする。そういうのを売りにして中国人富裕層の子供たちの旅行を全部JTBに送客するのです。最初から最後までJTBを使ってもらうのです。徳島県だけで昨年1年間で1,200泊ぐらい送客しています。徳島県は奈良県と共に宿泊者人口最下位を争っています。その徳島県で1,000泊以上というのはものすごい数です。これが地域貢献なのです。でも地元の方にはそれほどまでには見えないかもしれません。阿南市で中国人の子供が野球をやっているだけですから。私たちは、JTBに「鳴門のうずしおを見に行こう」というツアーを組んでもらったり、子供と一緒に中国から来た父母を対象に「藍染の体験をしてもらおう」というツアーを藍染関連のスポンサーを絡めた形にして、JTBに組んでもらいます。こういったことを私たちがやるのです。これは大きな地域貢献になります。自治体が高額な予算をかけてプロモーションビデオを作ったりしていますが、そんなことにカネをかけなくても、ターゲットを絞って取り組めばいくらでもできます。やらせてほしい、来てほしい、というお願いが私たちのところにたくさん来ているのです。外国の方は、お寺に泊まって懐石料理を食べるだけで喜んでくれるのです。わざわざ高額の新たな施設を作らなくていいのです。見過ごされているリソースが多すぎるのです。 ファイナンス 2019 Dec.53上級管理セミナー連載セミナー

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