2019年12月号 Vol.55 No.9
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う税金の控除とかを使って、増やしながら使っていくというのを、死ぬまでやり続けるというようなのが、一番コストとしては低いのかなと思っています。私は、「ライフイベント表」を作るのをお勧めしています。自分が何歳のときに子どもが小学校に入学するかや、何歳のときに車を買い替えるか、家を建てるのか、というイベントを全部埋めると、大きな支出が重なっている年がよく見えますので、そういうときは大きな支出を他の年にずらすかということが考えられます。ここでは、ずらせないものを知るというのが一番の目的です。家を買う年は1年ずらすことができるかもしれませんし、車を買う年も壊れていなければずらせるかもしれません。また、税金が控除できる制度はいくつかあります。このような制度が良いか悪いという議論は別として、是非活用すればいいと思います。ふるさと納税や、運用ならNISAやiDeCoがあります。教育費の準備には、児童手当を貯めておくと200万円ぐらいになります。積立NISAで運用し続けると、2万円で18年間、3%で運用できたとすると571万円です。プラス18年ということは、入学してから4年間まだあるので、その2万円を、単純に4年間貯金できると、合計667万円になります。600万円あれば、行ける大学もあります。なので、意外に2万円だったら、月々の負担は、途中から3歳から5,000円とかでも1万円とかでも多分大丈夫です。なぜそこまで、月々の教育費にかける積み立てを減らしたいかというと、老後が長いからです。皆さんの老後のお金のほうがはるかにかかるので、教育費を始めるときと同じぐらいから、同じぐらいの金額をやっておくと、老後は2,000万円必要と言われていますが、はるかに大きな金額になっていくのかなと思います。いついくらお金が必要なのかと考えるときに、国や会社が負担くれているところは、皆さんは準備する必要がないので、足りない分だけを皆さんは準備すればいいです。そのことを知らないと、無駄に準備したり、無駄な保険をかけたり、無駄に頑張って、今そんなに貯めなくてもよかったのに貯めてしまったりしてしまいます。貯めるのは悪いことではないですけれども、ため過ぎるということは、そのときを楽しめない分が増えてしまします。会社の健康保険組合には付加給付というのがあり、医療費が月に2~3万円以上かかったら、あとはその会社の健康保険で持ちますという制度です。入院して100万円かかっても、月に2~3万円なら、その他の医療保険に入る必要はありますでしょうか10年に1回入院するかわからないですけど、医療保険に毎月2~3万円支払う必要はありますでしょうか。ただ、車の保険などかけるべき保険は、しっかりかけてもらえばいいです。人身事故などですごい金額で困るというものには保険をかけてほしいなと思っています。このようにお金の支払いを減らしたいのは、それを全部老後に持っていきたいです。それを積み立てて、老後に使えるお金を増やしたいです。私はずっともう長い間、家計簿アプリを使っています。通帳とかクレジットカードとかポイントも、全部1カ所で見られるようにしていて、妻の口座も登録して見られるようにしています。最近は、共有する範囲も決めらます。教育費について、奨学金を活用している人は多いと思います。ただ、その借金をいきなり背負わせるのはかわいそうなので、例えば、資産運用をやりつつ、ぎりぎり出せるかなと思っても、あえて奨学金を組んでおいて、子どもが卒業するころに、自分たちの老後の資金がどれぐらいできているかによって、全部返してあげるということも、後ろ倒しにできるというメリットは、子どもの大学の費用までなんですよ。老後はないので。収入の大きくない人には、お金をなかなか貸してくれないので、という意味でも、少しでも稼げる仕事をずっと持っておくというのも、お金を借りられる人、信頼される人という意味でも、ありなのかなと ファイナンス 2019 Dec.33ファザーリング全国フォーラムinにいがたSPOT

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