2019年12月号 Vol.55 No.9
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FJのマザーリングプロジェクトの一環として、「ロールモデルカフェ」を各地で開催しています。普段ママ達は子どものことを語る場はあっても、自分自身のことを語る場が少なく、話す相手もあまりいないことから、ママ達が集まって悩みなど色々なことを語れる場をつくりたいと思い「ロールモデルカフェ」を開催しています。財務省とは平成27年から一緒に組ませていただき、財務省職員のパパママにロールモデルとして、財政や税についてお話しいただき、参加者のそれぞれの立場の悩みなどを話しあったり、共有したり、情報交換したりしていただいています。毎年、日本各地5か所開催しておりますが、今年は8カ所で開催する予定です。そして、年に1回、「税と子育てフォーラム」を開催しております。今年の9月に開催した「税と子育てのフォーラム」では、内閣府の方に、子育て支援についてお話をいただいたり、財務省の方に社会保障制度や財政のことをお話しいただいて、最後に、子どもたちにどういう未来を残したいかなどをグループで話していただいて、それを取りまとめながら、パネルディスカッションを行いました。このような活動を、財務省さんといろいろ取り組ませていただいています。参加者の方からは、税金を払っているばかりだと思っていたけど、実は結構恩恵を受けているとわかったなどの感想をいただいています。子育て世代が集まりオープンに話し合えることが、とてもいい機会になっているのではないかと思っています。講演財務省職員による講演○中西室長本日は、子育てを支える社会保障制度と財政というテーマでお話しさせていただきます。財務省や政府が、日本の財政や社会保障制度ついてどのように考えているかや、日本の財政が私達の生活にどう関わっているのかをお話しさせていただきます。また、今年10月1日に消費税率が10%に引上げられましたが、引上げの背景や増収分が何に使われるかなどについてもお話しします。まず、公共サービスについて話をする上で身近な例として救急車がありますが、救急車が1回出動するのにどのぐらいの費用がかかるかご存知でしょうか。実は、約4万円かかっています。また、公立学校に通う児童・生徒一人当たりの教育費は、毎年約100万円です。生活に必要な道路整備や台風の被害を防ぐ堤防など交通インフラの整備にかかる費用は、国全体で17.5兆円の支出、国民1人当たりにすると年間約14万円程度となります。そのほか犯罪から守るための警察にかかる費用は1人当たり約2.6万円、医療費は、64歳以下の世代は年間約3万円、75歳以上は年間約35万円となっています。医療費について、自己負担割合として窓口で支払うと10-30%、子どもの場合無料になるところもあります。他方、国の医療費全体は約42兆円となっています。このうち9割程度が、国民全体から集めた保険料と税金と借金を財源として使われています。国が医療費を負担する理由として、まず、誰でも必要なときに必要な医療を平等に受けられるようにするためです。そして、急な支出を抑えることができます。アメリカなどでは、大きな手術をするときなど多額の医療費の支払いが必要で、家を売ったり、破産をしたり、家族にも負担がかかっていると聞いております。急な支出を抑え、生活を守りながらも、大きな手術など万が一何かあったときでも、生活していけるよう、社会全体で負担することとしています。また、働いていない方、お金を稼げない方、赤ちゃんや高齢者の方々が病気になっても、国と皆さんの保険料で安心して医療を受けられますので、病気になっても安心です。次に財政の現状を見ていきたいと思います。財政とは、国や都道府県、市町村が、税金などで集めたお金 ファイナンス 2019 Dec.29ファザーリング全国フォーラムinにいがたSPOT

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