2019年12月号 Vol.55 No.9
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3大試験の実施方法(1)対象貨幣の選定造幣局では、日々の製造枚数に応じて、種類ごとに一定割合(例:500円通常貨幣の場合、30,000枚又はその端数につき1枚の割合)の貨幣を選取し、袋に封入・保管しており、大試験の当日、この袋を開封し、試験を実施する。第148次大試験において秤ひょう量りょう試験を受けた貨幣は、前回の大試験実施以降に製造された通常貨幣(1円から500円までの6種類)及び記念貨幣(資料1の9種類)である。記念貨幣の一部については、遠山財務副大臣及び宮島財務大臣政務官が、大試験の会場で当日、選取した貨幣の入った袋を直接開封し、その中から種類ごとに定められた枚数を試験用として選定した。(2)大試験貨幣の秤量秤量試験は、貨幣の種類に応じて、大型の両皿天秤により一定枚数の貨幣の重さを量る集合秤量と、電子天秤により1枚ごとの重さを量る個別秤量で行う。それぞれの秤量によって計測された量目と法定量目との差が、定められた公差の範囲内(例:法定量目が1枚あたり7グラムの500円通常貨幣の場合、1,000枚を集合秤量し、法定量目7,000グラムとの差が±13グラムの範囲内)にあるかどうかを確認する。秤量結果が公差の範囲内にあることが確認されれば、前回の大試験の実施以降に製造された貨幣は、すべて適正であったと認めることができる。4大試験の結果(確認宣言)第148次大試験においては、10,000円金貨幣と1,000円銀貨幣について個別秤量を行うとともに、それ以外の通常貨幣などを集合秤量によって計測したところ、法定量目との差が個別秤量で最大0.03グラム、集合秤量で最大1グラムであったため、すべての貨種が基準を満たし「適正」と認められた。この結果を受けて、執行官である遠山財務副大臣が執行結果確認宣言を行い、第148次の大試験は終了した。両皿天秤による秤量執行官による対象貨幣の選定電子天秤による秤量執行結果確認宣言 ファイナンス 2019 Dec.15第148次製造貨幣大試験についてSPOT

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