2019年11月号 Vol.55 No.8
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 はじめに敦賀税務署は、明治29年に敦賀郡(現在の敦賀市)を管轄区域として発足し、明治42年に三方郡を管轄区域としていた三方税務署を併合しました。平成17年3月に当署の管轄区域であった三方郡三方町と小浜税務署の管轄区域であった遠敷郡上中町が合併して「三方上中郡若狭町」が発足したことに伴い、平成17年7月、財務省令により若狭町全域が当署管轄となりました。中心市である敦賀市は、周りを敦賀三山(西方ヶ岳、野坂岳、岩いわ篭ごもり山)や木の芽峠など、500~900mの山々に囲まれています。また、北西から北にかけて扇状に開けている敦賀湾は東西8km、南北12km、海岸線は54kmにわたり、敦賀港は古来より天然の良港として有名です。また、整備新幹線計画については、平成24年6月29日に金沢~敦賀間113kmの着工が認可され、終着駅として令和4年度までの開業を予定しています。それでは、敦賀の産業と観光について、紹介させていただきます。 水産物加工業敦賀市は、江戸時代初期の河村瑞賢による西廻り航路の確立(1672年)以降、北前船により松前物と呼ばれる蝦夷地のニシンや昆布が大量に入荷するようになったことから、これに関連する伝統的な水産加工業が盛んです。昆布加工では、酢に漬けた昆布を特殊な包丁で削った薄絹のような「おぼろ昆布」が、全国生産量の8割以上を占め、敦賀市内に約100人いると言われる手かき職人の伝統技術に支えられています。また、蒲鉾は日本海で捕れた新鮮な白身の魚を原料に、蒸しあげてから表面をみりん焼きにするのが特徴で、美浜町においては、鯖を糠漬けにした「へしこ」の生産にも力を入れています。 気比神宮702年(大宝2年)の創建と伝えられ、「けいさん」の愛称で親しまれ、北陸の総鎮守(越前国一の宮)として古くから尊崇を集めています。戦国期に兵火に遭い、江戸時代に再建。1945年(昭和20年)の敦賀空襲では、主要な建造物を焼失しました。その後、工事を繰り返し、現在、美しく荘厳な社殿が見られます。戦火を免れた大鳥居(重要文化財)は、木造では日本三大鳥居の一つに数えられています。【気比神宮】 福井県年稿博物館三方五湖の中で最も大きな湖、水月湖。その湖底には7万年以上の歳月をかけて堆積した世界でも他に類「自然、歴史そして未来へ」 敦賀敦賀税務署 総務課長入口 裕範敦賀80 ファイナンス 2019 Nov.連載各地の話題

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